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□二話
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服装が夏服に変わり、ジメジメした梅雨も過ぎ、太陽がギラギラ照らす時期
椚ヶ丘中学校〜校門〜放課後
「夏と言えば、アイス!」
そう言って小梅は学校近くのコンビニへ向かった。
コンビニ
「あ、ヤンキーが群れてる。」
小梅はコンビニ前で戯れているヤンキー共を発見した。制服を見ると隣町の公立中学校の物だった。
あまり気にせずコンビニに入り、ガリガリアイスを買って、外に出ると、ヤンキー共が通せんぼしていた。
「なぁ、可愛いお嬢ちゃん、俺らにもアイスくれよぉ」
「私立の名門通ってるくれぇなんだから金あるよなぁ?」
「もし、今の買いもんで無いんなら、お兄さん達と気持ちいい事、してくれれば良いからさぁ?」
ヤンキー共が話している間、小梅はどこを蹴ろうか考えていた。‘顔か喉か胸、金的、さて、どれにしようか’と。
無反応の小梅に痺れを切らしたのか、男の手が伸びてきたその時、別の手が横から伸び、小梅の肩を抱き寄せた。
「俺の連れに何のご用?」
耳元から聞こえた声に振り向くと、椚ヶ丘の制服を着た赤い髪の少年がいた。
小梅は流れに任せる事にして、アイスを食べ続ける。
「あ、赤羽...」
「この前の...」
「何?お兄さん達まだ懲りてないの?」
「くそッ」
少年が挑発すれば、ヤンキー共は苦い顔をしながら走り去っていった。会話からの情報だと、前にも似たような事があったようだ。
「一人でいると、あ〜んな奴らの標的にされるよ?」
「みたいだね。次からは素早く金的を決めるよ。先手必勝」
「へぇ〜、強気だね。」
一般の男子が聞いたら引くであろう小梅の発言を少年はニヤニヤしながら聞いていた。
「ま、次が無いように気を付けてねぇ〜」
「うん。.........あ、」
少年がコンビニに入ろうとした時、小梅が彼のカーディガンを引っ張った。
「ん?何?」
「アイス好き?」
小梅が少年に見せたアイスの棒には‘1本当り’の文字が。
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