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□七話
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旧校舎〜教室

「加々知小梅です。よろしく。」

彼女は本当に唐突だ。







「先生嬉しいです。生徒が増えてくれて。」

「私はビックリしました。まさか教師を暗殺だなんて思いもしませんでした。」

小梅は、E組に初めて来た日の翌日、新しいクラスメイトとして改めて自己紹介した。
このクラスに落ちる理由を昨夜、渚がメール問いただしたところ、
‘呪い人形作れるからキャッ♪(/ω\*)’
と、返信が来た。この時、渚は思わずツッコミを入れた。‘文章と顔文字が合ってないよ!!’

「今週、全校集会あるのに、このタイミングで来るとは思わなかった。」

磯貝が最前列、つまり教壇に立っている小梅の目の前に居るため、話かけた。

「そういえば、あったねぇ、そんなの。」

「その様子じゃあ、忘れてたんだ...。」

「お話はその辺にして、加々知さんは後ろの開いている席へ。」

「はーい。」

殺せんせーに返事をした小梅は窓から二列目、奥田の後ろの席に座った。

「お、奥田愛美です...。よろしくお願いします。」

「うん、よろしく。愛美ちゃんって呼んで良い?」

「はい!」

「小梅が隣って授業中寝れないじゃん。」

「寝てたら耳元でカゴメ歌ってあげる。」

「嫌だよ、それ。」








昼休み


「いやぁ、ビッチ先生の授業、刺激的だね!」

「う〜ん...。(あれを刺激的で済ます小梅ちゃんがスゴい...)」

渚はいつも一緒に昼食を食べる茅野とカルマに、小梅を交えていた。

「あれ?カルマくん、...それって......手作り弁当!?」

茅野の叫びに教室中の視線がカルマの手元に集まった。その手には、いつもはコンビニの物があるのだが、今日はちゃんとした黒い弁当箱があった。

「あぁ、親が旅行で居ないって言ったら、小梅が食材買い込んで料理作りまくってったから、今ウチの冷蔵庫、小分けタッパーだらけ。」

「成長期、ちゃんと食え。」

「へぇ〜い。」

「...なんか、恋人って言うより、姉弟?」

中村の呟きに全員が頷いた。

「にゅやぁ、残念です。カルマ君のスクープだと思ったのですが......。」

そう言った殺せんせーはいつの間にか着替えていて、記者の様な格好をしていた。

「そういえば、カルマくん。小梅‘ちゃん’って1年の時、呼んでたよね?今は‘ちゃん’付けてないの?」

渚の質問に‘そういえば’と言う顔をする当事者二人。

「あぁ、メール打つとき面倒くさくって取ってたの定着しちゃったかな?」

「それだ。」

「ホントに姉弟みたいだ、コイツら。」

E組はこの二人から恋愛要素を探り出すのを止めた。

「そうだ、小梅。理事長室に真理(マリ)居た?」

「居たよ。理事長の事、気に入ったみたい。」

「‘マリ’って?」

茅野の疑問にカルマがニヤリっとしながら応えた。

「真理(シンリ)って書いて真理(マリ)。俺が付けた、嘘つき人形の名前。」

『......え?』

その時、教室全体が凍り付いた。
『(本当に理事長室に居た!!?)』

「真理ちゃん、嘘つきが沢山いる本校舎で頑張るって。」

「そっかぁ、残念。」

「待って!?頑張るって何を!!?」

思わず渚がツッコム。

「そりゃぁ、もちろん...」
「ねぇ...?」

意味ありげに笑う二人。








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