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□九話
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旧校舎〜教室


「さて、皆さん。始めましょうか!」

『いや、何を!?』

殺せんせーがいきなり分身しながら言った事にクラス全員が戸惑った。


「‘小’って何?チビって言いたいの?喧嘩売ってるなら買いますよ?」

「違います!加々知さんは小テストで今の学力を測りましょう!」

「面倒だなぁ。」

「そう言わずに!まずは中学1年からです!簡単な物から難解まで選り取りです!」

殺せんせーの分身は各々ハチマキを付けていた。国語6人、数学8人、社会3人、理科4人、英語4人、ナルト1人、小テスト1人。

「加々知さんは大学の範囲まで越えましたねぇ。この時間はどうします?」

「う〜ん、どうしましょう?」

「ねぇ。」

殺せんせーと小梅が首を傾げてると横からカルマが声をかけて来た。

「俺もテスト範囲、終わってるから小梅と勉強して良い?」

「良いね、それ。じゃあ応用問題やったり、教科書進めよっか。プラス、豆知識。」

「まぁ、良いでしょう。」

殺せんせーの許可も出たので小梅とカルマは机をくっつけて勉強を再開した。





教員室〜放課後


「この6面体の色を揃えたい。素早く沢山。」

教員室の椅子に座り、ルービックキューブをする理事長。

「ビッチ先生〜、教室にスマホ忘れてたよ?」

そこへ小梅がビッチ先生のスマホを手に教員室に入って来た。

「やぁ、加々知さん。君ならどうする?」

「唐突に何です?」

質問を質問で返しながらビッチ先生にスマホを手渡す。

「この6面体の色を誰でも簡単に揃えられる方法は何だと思う?」

「...私が攻略法を教える。そいつが他の人に教えれば攻略法を知る人が増える。またそいつが誰かに教える。それが続いて行けば、その人達の人間関係が良好になる。」

「素晴らしい。人間関係まで考慮するとは。」

「世渡り出来てなんぼです。」

小梅がそう言った時、教員室の扉が開いて殺せんせーが室内に入って来た。その隙を見計らって、廊下に出る。

「また明日ー。」

手を振りながら下駄箱に向かった小梅。







翌日


さらに殺せんせーが増えていた。

「う〜ん...。」

「どうしたの?カルくん。」

「いや、殺せんせーの分身が雑過ぎて気が散るなぁって。」

「確かに雑。...教員室に行く?」

「だねぇ。」

そんな二人の会話を聞いていた殺せんせーが、二人の前に現れる。

「教員室に行くのは良いですが、冷蔵庫の中の物、食べちゃダメですよ!?」

「先に言われちゃった。」

「にゅやぁぁ!?カルマくん!食べる気だったんですね!?ダメです!絶対ダメ!!」

「ダメと言われると食べたくなりますなぁ?カルマさんやぁ。」

「そうですなぁ?小梅さんやぁ。」

「ムッキーー!!このドSコンビ!早く教員室に行って勉強してなさい!!」

「はーい。ではカルくん、二次関数の手の抜き方を伝授しよう。」

「ラッキー。」

話しながら教室を出ていった二人。





教員室


「失礼しま〜す。あれ?烏間先生だけ?ビッチ先生は...タバコ?」

「あぁ、外にいる。」

小梅とカルマが教員室の扉を開けると中には、パソコンを打つ烏間先生だけだった。

「冷蔵庫からチョコプリンの匂い...。」

「小梅って、鼻良いよね。」

「まぁね。ビッチ先生が今どこにいるのかも分かる。」

「犬?」

「違う。八大の狐だよ。」

「犬も狐も変わんないじゃん。てか、‘ハチダイ’って何?」

「ただの地名。」

しゃべりながらも空いている机に座り、教科書を広げる。


暫く経った時、教員室の扉がノックされた。

「カルマと小梅、烏間先生とビッチ先生も外に来てって殺せんせーが...、あれ?ビッチ先生は?」

「外にいる。」

「え...?どうしよう...。」

烏間先生が扉を開けると片岡がいた。中を覗いてビッチ先生が居ない事に気が付くと戸惑った。

「小梅場所分かるんでしょ?一緒に探してあげたら?」

「良いよ。おいで、メグちゃん。」

「う、うん。二人は校庭に行ってて下さい。」

「分かった。」




倉庫近く


「いた!ビッチ先生!」

「何よ?」

倉庫の陰でタバコを吸っていたビッチ先生。片岡は見つけると駆け寄った。

「校庭に来て下さい。殺せんせーが先生方も呼べって...。」

「はぁ?何よいきなり...。」

「つべこべ言わずに行くよ。」

小梅はビッチ先生の手を掴み、校庭まで引きずって行く。


...
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