*main*
□九話
1ページ/3ページ
旧校舎〜教室
「さて、皆さん。始めましょうか!」
『いや、何を!?』
殺せんせーがいきなり分身しながら言った事にクラス全員が戸惑った。
「‘小’って何?チビって言いたいの?喧嘩売ってるなら買いますよ?」
「違います!加々知さんは小テストで今の学力を測りましょう!」
「面倒だなぁ。」
「そう言わずに!まずは中学1年からです!簡単な物から難解まで選り取りです!」
殺せんせーの分身は各々ハチマキを付けていた。国語6人、数学8人、社会3人、理科4人、英語4人、ナルト1人、小テスト1人。
「加々知さんは大学の範囲まで越えましたねぇ。この時間はどうします?」
「う〜ん、どうしましょう?」
「ねぇ。」
殺せんせーと小梅が首を傾げてると横からカルマが声をかけて来た。
「俺もテスト範囲、終わってるから小梅と勉強して良い?」
「良いね、それ。じゃあ応用問題やったり、教科書進めよっか。プラス、豆知識。」
「まぁ、良いでしょう。」
殺せんせーの許可も出たので小梅とカルマは机をくっつけて勉強を再開した。
教員室〜放課後
「この6面体の色を揃えたい。素早く沢山。」
教員室の椅子に座り、ルービックキューブをする理事長。
「ビッチ先生〜、教室にスマホ忘れてたよ?」
そこへ小梅がビッチ先生のスマホを手に教員室に入って来た。
「やぁ、加々知さん。君ならどうする?」
「唐突に何です?」
質問を質問で返しながらビッチ先生にスマホを手渡す。
「この6面体の色を誰でも簡単に揃えられる方法は何だと思う?」
「...私が攻略法を教える。そいつが他の人に教えれば攻略法を知る人が増える。またそいつが誰かに教える。それが続いて行けば、その人達の人間関係が良好になる。」
「素晴らしい。人間関係まで考慮するとは。」
「世渡り出来てなんぼです。」
小梅がそう言った時、教員室の扉が開いて殺せんせーが室内に入って来た。その隙を見計らって、廊下に出る。
「また明日ー。」
手を振りながら下駄箱に向かった小梅。
翌日
さらに殺せんせーが増えていた。
「う〜ん...。」
「どうしたの?カルくん。」
「いや、殺せんせーの分身が雑過ぎて気が散るなぁって。」
「確かに雑。...教員室に行く?」
「だねぇ。」
そんな二人の会話を聞いていた殺せんせーが、二人の前に現れる。
「教員室に行くのは良いですが、冷蔵庫の中の物、食べちゃダメですよ!?」
「先に言われちゃった。」
「にゅやぁぁ!?カルマくん!食べる気だったんですね!?ダメです!絶対ダメ!!」
「ダメと言われると食べたくなりますなぁ?カルマさんやぁ。」
「そうですなぁ?小梅さんやぁ。」
「ムッキーー!!このドSコンビ!早く教員室に行って勉強してなさい!!」
「はーい。ではカルくん、二次関数の手の抜き方を伝授しよう。」
「ラッキー。」
話しながら教室を出ていった二人。
教員室
「失礼しま〜す。あれ?烏間先生だけ?ビッチ先生は...タバコ?」
「あぁ、外にいる。」
小梅とカルマが教員室の扉を開けると中には、パソコンを打つ烏間先生だけだった。
「冷蔵庫からチョコプリンの匂い...。」
「小梅って、鼻良いよね。」
「まぁね。ビッチ先生が今どこにいるのかも分かる。」
「犬?」
「違う。八大の狐だよ。」
「犬も狐も変わんないじゃん。てか、‘ハチダイ’って何?」
「ただの地名。」
しゃべりながらも空いている机に座り、教科書を広げる。
暫く経った時、教員室の扉がノックされた。
「カルマと小梅、烏間先生とビッチ先生も外に来てって殺せんせーが...、あれ?ビッチ先生は?」
「外にいる。」
「え...?どうしよう...。」
烏間先生が扉を開けると片岡がいた。中を覗いてビッチ先生が居ない事に気が付くと戸惑った。
「小梅場所分かるんでしょ?一緒に探してあげたら?」
「良いよ。おいで、メグちゃん。」
「う、うん。二人は校庭に行ってて下さい。」
「分かった。」
倉庫近く
「いた!ビッチ先生!」
「何よ?」
倉庫の陰でタバコを吸っていたビッチ先生。片岡は見つけると駆け寄った。
「校庭に来て下さい。殺せんせーが先生方も呼べって...。」
「はぁ?何よいきなり...。」
「つべこべ言わずに行くよ。」
小梅はビッチ先生の手を掴み、校庭まで引きずって行く。
...