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□六話
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「面白そうな先生だね。...なーくん、私E組に来たい。」

「...へ?」

渚は彼女が何を言っているのか一瞬分からなかった。けれど、カルマは何か閃いた顔になったかと思いきや、悪魔のような笑顔を浮かべた。

「あ、それ良いかも。小梅身体能力高いから少しぐらい無茶できるし、俺のイタズラの幅が広がる。」

「イタズラ?呪い人形でも使う?また作ろっか?」

「‘呪い人形’って何!?しかも‘また’って!?」

この時カルマ以外のE組全員が思った。
“学校の七不思議の1つ、‘嘘つき人形’”


‘嘘つき人形’とは、見た目はただの日本人形だが、その人形を見ながら嘘をつくと、3日以内に怪我をする。しかも、嘘と怪我の大きさが比例しているとか......。現在行方不明。


『(あの人形の製作者と持ち主、お前らか!!)』

「あれ面白かったのに急に消えちゃったんだよね。どこ行ったんだろ?」

「不気味な人形なら、理事長室で見たぞ。」

カルマの一人言に烏間が応えた。烏間は教室に入って小梅の前まで来た。

「この教室で見た事は他言しないでくれ。」

「良いですよ。この教室の事、理事長は知っているんでしょ?」

「あぁ。」

「じゃあ話が早い。これから理事長のところに行ってE組に移動させてもらいます。」

そう言い残して小梅は本校舎に向かって走り去った。

「...彼女はいつもあんな感じか?」

「...あぁ......、はい。」









理事長室


バンッ
「理事長先生!!」

「加々知さん、ドアを開ける前にノックをしなさい。それと、どうでしたか?イギリスは?」

突然来た小梅に驚かず、注意をする理事長。

「食べ物が美味しくなかったです。」

「そうですか。それで?突然、どうしたんです?今日は欠席の筈でしょう。」

「あぁ!えっと、私、E組に行きます!」

「...理由は?」

「UMAが居たから!」

「そんな理由ではダメですよ。もっとちゃんとーーー」
「あ、‘嘘つき人形’。」

トロフィー等が置いてある棚の隅に居た人形を見つけ、抱き上げた小梅。

「その人形、実害を出すので生徒達が触れないようにここに置いています。しかし、既に被害が出ているため製作者は何らかの制裁を与えなければなりなせん。」

「何らかの制裁......。じゃあ、E組に落としてください。」

「.........。」

小梅の発言に暫し停止する理事長。

「...E組に行きなさい。」

「はーい。」









A組


「ただいま!お母さん!イギリス土産の不味い飴、あげる。」

「不味いと分かっていて、なぜ渡す!?」

「...‘お母さん’呼びは良いのか?浅野。」

「1年の時に諦めた...。」

榊原の問いかけに浅野は遠い目をしながら応えた。

「がっくん、悪いけど私、E組に行くから席詰めるようにしといて。じゃあね。」

小梅はそう言って去っていった。
残されたA組は数秒固まり、浅野が代表するかのように、叫んだ。

「ついに血迷ったか!!!?」






...六話終わり
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