翡翠とアメジスト

□山荘包帯男殺人事件
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そして話を戻そうと綾子は

「敦子も来れてたらね・・」

とぼやいてしまい空気が変わった。

池田はもう死んだのだからと叫び

『・・・』

コナンと空瑠はその空気の変化に目を細め何かを考えていた。

そして綾子は夕飯を作りに、高橋は屋根の修理にそして池田は散歩に行くといいその後を角谷も追った。

『高橋さんの手伝いに行ってくるよ』

空瑠もその場を後にしようとしたが

「空瑠さん、雨降ってきてるから止めた方がいいんじゃない?」

コナンが窓の方を指さしていった。

空瑠も窓に近寄れば

『ほんとだ。降ってきてる』

雨が降ると昔から傷が疼くことを知っているコナンはそういう意味で静止をかけたのだった。

結局空瑠は疼きだした傷を抑えるようにして腕を組み窓に寄りかかるようにして外を見ていた。

その横で園子が太田がタイプだなんだと騒いでいるのを聞き流していた。

そしてどうやら散歩に誘われたのは蘭らしく部屋を出ていきその後をコナンと園子も追っていった。

帰って来た蘭たちが玄関で何か言い合っているのを空瑠も耳で捉え玄関に向かえば

「だから、包帯男に蘭は襲われたのよ!」

園子が説明し、他の全員もその包帯男を目撃していたことが判明。

『で、蘭は怪我とかしてないの?』

空瑠は未だ腕を組んだまま蘭に近づき一応全身を見てから聞いた。

「うん。斧を持ってて何とか避けたから・・」

『何故蘭が狙われたのか・・とりあえず、蘭は一人にならないようにして』

「う・・うん」

空瑠はその疑問を考えるように顎に手を置き悩みだす。

そして警察に電話しようとするも雷で電話が通じなくなり慌てて外に出た高橋たちが目にしたのは落とされた橋だった。

「自然に落ちたんだろこの橋」

太田が言い捨てるが

「違うよ!」

それを真っ先にコナンが否定した。

『誰かが落としたんですね』

同じように空瑠もコナンの横にしゃがみ橋が吊るされていた支柱を見れば何度も傷つけた跡があった。

全員山荘に戻り夕飯の用意をしていれば

「ごめんね。なんだかみんなギスギスしちゃって」

申し訳なさそうな顔をする綾子だが、事の発端は綾子が話した敦子のことである。

2年前のある日彼女が自殺しそれ以来会わなくなっていたという。

そして料理を食べようと話していたその時屋根の修理をしていた高橋が

「誰だお前は!」

急に大声を上げた。

『どうしたんですか!?』

「誰かいるんだ!下の窓のそばに!」

「窓のそば?」

ビデオを回す角谷や蘭、園子など一階に居た者は全員窓に注目すれば・・一瞬過ぎった人影。

それは包帯男であり、そのものが抱えていたのは池田だった。

『コナン!』

「あぁ!」

窓を開けた角谷たちが呆然としている間に空瑠とコナンは懐中電灯片手に窓から外に出ていった。

「コナン君!空瑠!」

蘭が静止の声をかけるもお構いなしに。

森の中を走ること数分コナンが最初に見つけたのは池田の足だった。

『こっちには手がある』

同じようにライトを照らす空瑠。

そして角谷が見つけたのは・・首を切断されて横たわる池田の姿。
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