翡翠とアメジスト3

□幽霊ホテルの推理対決
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もともと探偵は名ばかりの空瑠は事件を解決すること自体にそこまで興味があるわけではないため肩を竦めた。

しかしコナンはそうもいかずむすっとした顔で成り行きを見守ることに。

昼川を含めた3人が6階に呼ばれ世良は得意顔で自動的に人を転落死させるトリックを話し始めた。

そしてトリックを実際に行ってみるが・・・

実際にトリックで2階から6階まで車椅子に乗った人形は来たが壁に当たっても人形は転落することはなかった。

「やっぱ分かってなかったか」

『だとは思ったよ』

コナンは半目になり空瑠は肩を竦めた。

「おい、空瑠」

『やるなら新一でやりな。サポートはするよ?』

探偵役は決してやらない空瑠にコナンは溜息吐くと携帯を取り出した。

そして

『ペンキの缶ですよ』

目暮や高木に非難される世良に今まで口を挟まなかった空瑠が口を開いた。

そして

「ペンキの缶を使ったんですよ」

『お話しましょう。事件の真相を我々高校生探偵が』

ニヤリと笑った空瑠の右手に持つ携帯からは新一の声がし

「そ、その声工藤君か!?」

空瑠は携帯を目暮に渡すと

『新一、分かってるね?』

「あぁ、問題ねぇよ」

いつも毛利と推理するときも息の合った掛け合いで謎を解いているため問題はなく

「そ、それでペンキの缶をどう使ったというのかね?」

コナンが移動するのを視界で捉えた空瑠は注意を引くために口を開いた。

『窓の下に大量にペンキが溢れた跡がありますよね?そこに何かが置いてあった跡も』

視線を向けながら話す空瑠に目暮たちは視線が向くが世良だけは走っていくコナンを見ていた。

『(流石探偵、厄介かな?)』

空瑠は世良のことも見ながら推理を進めていく。

「その跡に合わせて転がっているペンキ缶を置いてみてください」

新一の指示で目暮と高木はペンキ缶を置けば

『ピッタリ合いませんか?』

「た、確かにピッタリ位置する」

空瑠の言葉に頷く目暮に

「その缶を両脇から足で押さえてもう一度車椅子を壁から離して発進させてみてください」

高木と目暮が足で押さえ空瑠が車椅子を移動させようとすれば

「僕がやるよ」

既に世良が移動させており

『!(ヤバイ)』

影に隠れるコナンに気がついている世良はわざと新一に確認を取るが

「僕は現場にいないので空瑠に確認してください」

「だ、そうだけどこの辺りでいいかな?女性名探偵!」

わざと声を張り上げる世良に空瑠は頭を抱えたくなるが

『えぇ、その辺で大丈夫ですから発進させてください』

今はポーカーフェイスを保つために事件に意識を向けた。

そして発進した車椅子は足掛けがペンキ缶にぶつかり人形は割れた窓から駐車場へと落下していく。
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