蒼と翡翠の想い
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『何時頃やるつもりなの?』
「そうだな・・期日としては・・「空瑠さん!事件発生です!」どうやら仕事のようだね」
『そうみたい。行くから用意して!情報は車の中で聞くから』
「はい」
空瑠は苦笑しながら前半の言葉を優作に言い、真剣な表情になってから後半の言葉を部下へと述べた。
「決まったことはメールしよう。久しぶりに空瑠の元気な声が聞けてよかったよ。あまり無理はしないで欲しいものだが・・」
『期待には多分添えないけど・・なるべく努力はするよ』
「あぁ、では目暮警部にも宜しくな」
『うん』
そう言って空瑠は電話を切り真剣な表情に戻ると現場へ向かうべく一度デスクに戻り必要なものを持つと駐車場に向かった。
そしてコナン誘拐事件当日のネタばらしが終わったあとムスっとしたままのコナンに
「まぁ、そうむくれるな。これは私のアイディアだが空瑠も了承したことなんだぞ」
「姉さんが?」
そっぽを向いていたコナンも優作の言葉に顔を向けた。
「あぁ。と、言うよりもお前が工藤新一だとバレた場合にどういう行動をするかは全て空瑠が予想した通りの行動だったよ」
「それって、俺が博士の家に行くのが分かってたってことかよ」
「あぁ、元々有希子にはお前が車から降りたらすぐに博士の家に向かってもらっていたからな」
「ははっ。俺は結局姉さんの手の上で踊らされてたのかよ」
ジト目で言うコナンに優作は笑い
「そういうことだ」
「結局姉さんは全部わかってたのか」
「お前が危機感を持っていないことをずっと危惧していたんだぞ。空瑠は」
わしゃわしゃと頭を撫でる優作にコナンは言いようのない敗北感を感じていた。
「それと、空瑠が危険だと判断した場合は問答無用で外国に連れて行くからな」
「なっ!?姉さんが基準かよ!」
優作の言葉に驚くコナンに優作はしれっと
「すぐにでも連れて行くのをお前が護りたい者が居るからという理由で残ることは空瑠も気がついている。これは最大限の譲歩だ」
「分かった」
そこまで気がついている空瑠にコナンは何とも言えないが
「空瑠はお前のことを護るつもりでいる事を忘れるな。お前は今の姿は小学生。どんなに頭が切れたといっても空瑠には及ばないぞ」
「それもわかってる」
「そうか」
父と息子の会話に有希子は口を挟まなかったが
「(やっぱり新ちゃんも男の子なのよね。あの表情はここを離れたくない理由に何かあるようね)」
意地悪そうに笑みを浮かべていたのだった。