蒼と翡翠の想い

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そして数日後

『で?何を確認したくて電話してきたわけ?』

空瑠は書類整理片手に電話に出ていた。

「姉さんに感謝しろって親父に言われた」

『あぁ、父さんからも連絡きたよ。予想通りの行動をしたって。流石我が娘だって褒めてくれたけど?』

「あの暗号考えたのも姉さんなんだろ?」

『父さんに頼まれたからね』

淡々と答える空瑠にコナンは拗ねた声を出し

『経験の差だよ。私は長いこと刑事として働いてるんだからそう言う行動心理は考えやすいってだけ』

「はぁ、姉さんに勝てる日はあんのかな・・」

電話口で溜息を吐くコナンに空瑠は呆れ

『推理に上も下も勝ったも負けたもないでしょうが』

「そうだった。真実はいつも」

『たった一つでしょ?』

フッと笑を向ければコナンも気が付いたらしく

「危機感のない行動してごめんなさい」

珍しく謝ってきたコナンに空瑠は一瞬きょとんとなり

『分かればよろしい。って言っても、事件に首を突っ込むのは止められないんだろうけど』

肩を竦める空瑠にコナンは何も言えず

『ここを離れたくないんでしょ?』

「あぁ、あいつがいるからな」

『父さんも言ったかもしれないけど』

「姉さんが危険だと判断したら外国にだろ?」

『わかってるならいいや。さてとそろそろ切るよ。あんまり長話出来ないから』

「あ、あぁ。姉さんも無理すんなよ」

『はいはい』

空瑠はそう言って電話を切ると通話中だったため受信できなかったメールが受信された。

『あ・・』

届いたメールは2通。

1通は赤井からでありもう1通のメールを読んで空瑠は口元に笑みを浮かべた。

「空瑠さんが携帯見て笑うなんて珍しいですね。彼氏からですか?」

隣のデスクに座った佐藤の何気ない言葉に捜査1課のフロアのデスクはガタガタと音を立て

『残念。彼氏はいません』

きっぱりと言い切る空瑠に今度は安堵の息が其処ら中で聞こえ空瑠はそれを聞きながら少々呆れていた。

「違うんですか?随分嬉しそうでしたけど」

首を傾げる佐藤に

『あぁ、大学の後輩。未だに連絡とってて。時間があったらお茶しませんかって誘いだったの』

もう一度メールを読み返し空瑠は緩りと口角を上げた。

「大学出てからも交流あるのって凄いですね!」

『まぁ、その子だけかな。未だに連絡とってるのは』

「私なんか全然ですよ」

手を横に振って否定する佐藤に空瑠も笑い

『さて、終わらせよう』

書類整理の終わらないデスクを見て空瑠は気合いを入れ直しメールの返信はそれが終わってからだった。

『アメリカ行ってたせいで会うのはかなり久しぶりだな』

クスリと笑いながら空瑠は呟き仕事が終わり次第会えるかどうか聞くことにした。
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