FBIと護り屋
□日常編2
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赤井もレイネスと一緒に監視カメラの映像は見たが判別は出来なかった。
『別に・・あの事件には俺たちの仲間も巻き込まれてたからな。同一犯か別かは分かんなかったが・・今回はたまたま合ったってだけの事』
そっぽを向きぶっきらぼうに告げるウィルに赤井は目を細め
「(褒められることに慣れていないんだな)」
口元に笑みを浮かべながら自然とウィルの頭に手が伸びた。
が・・
‘パシッ’
ウィルの頭に触れる前にその手はウィルの手に掴まれてしまった。
「・・・」
『・・・』
互いに言葉は発しず視線が合うとウィルは手を離した。
『ごめん、触れられることに慣れてないから』
気まずそうに告げるウィルに赤井は首を振り
「俺もすまなかった」
そう言って赤井も懐から煙草を出すと口に咥えた。
互いに変な沈黙が出来てしまいもともと口下手な赤井は気の利いた言葉も言えないもどかしさに咥えていた煙草を噛みウィルはウィルで何を話せばいいのか皆目見当が付かない状態だった。
冷え切った珈琲に口を付けふと、ウィルはこの喫茶店を指名したのかが疑問に浮かんだ。
珈琲自体飲むことが多いウィルは味にうるさい方でありケンから紹介される喫茶店は悉く却下していた為この状況で自然に飲んでいる自分に驚いた。
『ここの喫茶店・・』
「・・ん?」
『好きなの?』
話題を振ったウィルに考え事をしていたのか赤井は一瞬反応が遅れ視線をウィルに向ければウィルはカップを指しながら赤井の方を見て首を傾げていた。
「レイネスの勧めだ。俺はあまり味に頓着しないがレイネスが珈琲にうるさいからな」
『へぇ。俺も味にうるさいからケンが紹介した喫茶店は大体却下したかな』
「ほー?この店は当たりだった訳だな」
ニヤリと笑う赤井にウィルは頷き
『リピートしても良いかな。本屋が向かいにあるし』
好条件だと笑うウィルに赤井もフッと笑い
「そうしていると年相応だな」
頬杖をついてウィルを見つめた。
『?俺ってどんな風に見えてんの?』
苦笑しながら尋ねたウィルに赤井は学生には見えないと答えた。
『そう言うもんなんだな』
あまり自分の事には関心が無いのかウィルは自分から聞いたが赤井の答えを聞くとその話題を流してしまった。
「ルイ、聞いても良いか?」
『ん?』
ウィルは指に挟んでいた煙草を灰皿に押し付けながら赤井の方に視線を向けた。
「何故、勧誘を受けたんだ?」
『それが聞きたくて珈琲を奢るなんて約束を取り付けたのか』
「バレていたか」