翡翠とアメジスト2
□お尻のマークを探せ
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黒の組織とFBIの対決から数日後平和な日常が訪れ始めた。
「ねぇ、空瑠も行くでしょ?」
帰りの支度をしていれば園子から話しかけられ主語のない会話に首を傾げれば
「ジョディ先生のお見舞いよ」
補足するように蘭が言ったため納得できたが今日はこのままwingsの集まりがあるため空瑠はその誘いを断った。
『近いうちに私も顔見せに行くよ』
とりあえず今優先すべきはwingsであるため空瑠は後ろ手に手を振りながらそれだけ言って教室を後にした。
wingsのメンバーが集まるホテルの一室
『じゃぁ、警察は子供の誘拐に巻き込まれたということになったんですね』
「あぁ。どうやらあの子供たちが上手いこと口裏を合わせてくれたようだからね」
羅瑠の言葉に空瑠はホッとし
「それと、空瑠さん達が使った銃の薬莢と銃弾も収集済みです」
袋に入れたそれを悠が机に置いた。
「ハロウィンパーティーに奴らがいたのは間違いないだろうが・・全員が仮装してたせいで判断がつかなかった。まぁ、着港したところにあのポルシェ356Aがいたな」
船に乗っていた瑠希が舌打ちげに言う。
出来ることならそれが誰か把握しておきたかったんだろう。
『妥当なところでウォッカでしょう。そう言えばベルモットが連れてきたカルバドス、ルシアン、マティーニはどうなりました?』
「全員その場で自決したよ」
悔しげに呟く羅瑠に空瑠も手がかりが消えたことに少なからず焦りがあった。
「自決後、おそらく組織が回収したんでしょう死体も銃もなくなっていましたから」
「俺の方でもちょいと調べたがわからなかったな」
「せめて、銃の入手ルートがわかれば私と瑠希くんで調べ用があったんだが・・」
『まぁ、糸が完全になくなったわけではありませんし組織に潜り込んでいるメンバーの情報待ちですかね。瑠希さん可能なら水無玲奈という女性を調べておいてもらえますか』
突然の振りに瑠希は椅子に寄りかかっていた体を起こす。
「水無怜奈?あのアナウンサーのか」
『変装中のベルモットが働く新出医院によく行っていたみたいですから』
「了解」
「私の方でも調べておこう」
『お願いします』
「今出来る事はそれくらいですかね?」
『子供たちは知り合いだからもし手掛かりを見つけてるようならこっちに回してもらうようにしてみます』
「了解です」
「では、今回はこのくらいでお開きにするかね?」
『そうですね。今回の情報は全員に回しておきますので』
「早急に調べるのは水無怜奈だね?」
『えぇ。これは少し組織全体で調べたほうがいいかと・・』
「んじゃ、俺は先に行くぜ。佐藤から呼び出しだ」
『佐藤刑事?事件でもありました?』
「今この辺うろついてる通り魔事件だろ?」
『あぁ・・お疲れ様です』
空瑠もとりあえず一旦家に戻ってからジョディの様子を見に行こうと考えホテルを後にした。