翡翠とアメジスト2

□どっちの推理ショー
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警視庁のとある一室

『それでは以上が報告になります』

「あぁ、すまない。こんなことに君に依頼してしまって」

机の前に置かれた報告書に視線を落としながら呟くのは警視である小田切敏郎だった。

『どんな依頼でも遂行するのが探偵の仕事です』

フッと笑みを浮かべ空瑠は当たり前のように言い小田切は目を見開くが

「やはり君に頼んだのは間違いではなかったようだ」

フッと息を吐き椅子に寄りかかるようにして肩の力を抜いた。

『また以来がありましたら是非』

空瑠はそれだけ言うと一礼して部屋を出ていった。

警視庁を出ようとすれば

「空瑠くん!どうかしたかね?」

これから現場に向かうであろう目暮がいた。

『目暮警部、これから現場ですか?』

「あぁ、実は先月あった殺人事件で妙な点があってね。毛利君にも来てもらうことになっているんだが・・空瑠くんはこれから時間はあるかい?」

目暮の問いに空瑠は捜査報告も終わり帰るだけだったため特に問題はないと伝えれば現場へと向かうことに。







ある程度空瑠は現場となった会社を見渡し目暮にその妙な点を聞こうとすれば

『・・・?』

何故か扉から入ってくるのは服部とコナンだった。

『何故、服部くんが・・?』

空瑠はその他にも蘭や和葉も現場に入ってきたことに瞬きを繰り返した。

「何や、空瑠も頼まれたんか?」

『えぇ・・まぁ、』

「それやったら空瑠は俺らのチームやな」

ニヤリと笑った服部に和葉は抗議するが

「お前は先に二人も味方に付けとるやないか。人数で言うたら空瑠は俺の方やろ」

『・・・?』

話が読めない空瑠は首を傾げるばかりで

「推理勝負で勝った方のお勧めの場所に行くことになったんだよ」

小声でコナンが補足を加えたことで空瑠は納得できたが・・

『推理に勝ったも負けたも無いだろうが・・』

溜息を吐く空瑠にコナンは乾いた笑みを浮かべるばかりだった。

改めて目暮はその時の状況を説明し始めた。

殺害されたのはこの会社辻谷玩具製作所の社長辻谷賢仁である。

そして発見者は社員4人と言う人数に毛利は疑問に思うが社員は全員一緒に出勤しているためそこまで問題ではなかった。

『その社員4人が縄で縛られゴルフクラブで撲殺された辻谷さんを発見したんですね』

遺体があった場所を白線で囲まれその前にしゃがむ様にして見ていた空瑠はそう呟いた。

「?空瑠ちゃん何でわかるん?」

和葉は首を傾げながら空瑠に聞けば空瑠は一度視線を和葉に向けてからもう一度遺体のあった場所に向ける。

「遺体の背中んとこにインクが溢れとるやろ?多分あれは犯人と揉み合った時に机にぶつかって倒れたんやろ。それを気にせんと縄で縛り上げたんやろな」

『その時にインクが付いた縄の跡が床にたくさんありますからね。辻谷さんが縄で縛られてからもがいた証拠ですよ』

何故か質問に答える服部だが空瑠は特に気にせず一緒に推理していく。

「ほんならゴルフクラブはなんで?」

『頭部にしか出血の跡がありませんしその周辺に細長い跡が幾つかありますからね。ゴルフクラブの跡ですよ』

「倒れてる奴の頭を殴った時に何回か外したんやろ」

納得した和葉だが蘭は新たに縛られた後で殴られたのか尋ねればそれはコナンが金庫の番号を聞くためだと開いている金庫を指しながら答えた。
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