翡翠とアメジスト2
□もう戻れない二人
1ページ/3ページ
帝丹高校には数日前に転校生がやってきた。名前は本堂瑛祐。
「え?毛利さんのお父さんあの有名な眠りの小五郎なんですか!?」
本堂は蘭の言葉に目を輝かせて声を上げた。
「うん。でも、お父さんなんかよりも空瑠の方が有名だと思うけど・・」
蘭がそう言って空瑠の方に視線を向けた。
「白夜さんってもしかして・・女性名探偵の白夜空瑠さん!?」
驚きの声を上げる本堂を一瞥して空瑠は頷くことで肯定を示した。
「へぇ〜てっきり年上の方かと思っていました!」
『よく言われますよ』
フッと笑みを浮かべる空瑠に本堂は困った顔をした。
「もしかして・・失礼なこと言いましたか?」
『・・・?』
本堂の意味が分からず空瑠は首を傾げた。
「あの・・白夜さん怒ってるような気がしたので・・」
本堂の言葉に園子は大爆笑していた。
「空瑠のその声は昔からよ。気にしなくて平気よ!」
『そういうことですから、お気になさらず』
空瑠が笑顔を向ければホッとした表情をする本堂。
そして空瑠は外を見ながら
『(まさかイーサン・本堂の息子さんが転校してくるとは・・偶然か、なにか意図があるか・・とりあえず彼女が入院していることを悟られないようにしないと・・)』
蘭たちが丁度本堂に水無怜奈に似ているというが本堂はそれを否定している。
「あの、毛利名探偵に会うことはできますか!?」
どうやら毛利のファンらしくどうしても会いたいとのこと。
「じゃぁ、今日来る?」
蘭の言葉に本堂は頷き放課後に一度着替えてから来るとのこと。
「空瑠も来るでしょ?」
下校の準備をしながら蘭が尋ねてきたため空瑠は一瞬考えるが
『私も着替えてからお邪魔させてもらうよ』
空瑠の答えに蘭は嬉しそうにし途中で別れた。
そして空瑠が探偵事務所に着き扉を開けた。
『お邪魔しま・・・何やってるんですか?』
空瑠が探偵事務所に入ると何故か頭を摩っているコナンと同じく頭を押さえている本堂。
その近くには何かの荷物の入った段ボール。
『もしかして・・本堂くんコナンとぶつかってそのまま後ろに下がり棚にぶつかり荷物が落下した?』
状況把握をした空瑠の問いに蘭は苦笑しながらその通りと答える。
そして本堂が来た理由。
それは毛利の運を少しでも運を貰うためと言う・・
「推理している時だけあなたに神様が降臨してるんですよ!」
言い切る本堂にコナンは呆れ
『まぁ、推理してるのは別の人間だが・・』
小声で空瑠は答えていた。
そしてそんな時に訪れる依頼人、三角篤だった。
そしてここでも起こる本堂の天然という名のドジに呆ける三角。
「き、気にしないでくださいね?」
取り繕う蘭と苦笑いを浮かべる毛利と園子だった。
そして改めて依頼とは居なくなった彼女を探して欲しいというもの。