蒼と翡翠の想い
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それから数年が経ち空瑠は刑事から警部へと昇進し様々な事件を解決へと導いてきた。
そして空瑠は非番だったがたまたま遭遇した事件で犯人がナイフを持っており一般人を刺そうとしていたため間に入り左腕を刺された。
勿論痛覚が鈍麻している空瑠は顔も歪めなければ声も上げず犯人はそんな空瑠に怯みその隙に空瑠は背負投げを決め
『11時23分被疑者確保』
うつ伏せにさせ両腕を後ろで掴みながら膝を背中に乗せ時計を見ながら呟いた。
そしてポケットから携帯を取り出し
‘プルルル’
「はい。佐藤です」
『米花町で今ナイフを持った通り魔を確保。悪いけど来て貰って良い?』
「はい、高木君とすぐに向かいます」
電話したのは部下である捜査1課の佐藤美和子である。
「空瑠さん!」
程なくして佐藤、高木が到着。
『怪我人は既に救急車で搬送済み。怪我自体は深くなかったし意識もあったから事情聴取は可能だよ』
「空瑠さん・・」
『とりあえず単独犯だと思うけど、聴取よろしく』
「じゃなくて!空瑠さん!」
『・・・さっきから何をそんな慌ててるのよ』
淡々と説明していた空瑠に佐藤は怒鳴りその声に空瑠は怪訝な顔をした。
「その腕!止血してないんですか!?」
ダラダラと流れる血に佐藤は慌てふためくが空瑠は腕を一瞥すると
『そういえば刺されたんだっけ・・』
今思い出したという言い方をする空瑠に佐藤は呆れ高木は顔を真っ青にさせた。
「あ〜オッホン。空瑠くんはまず病院に向かいなさい」
咳払いが聞こえそちらを見れば目暮も居り空瑠は頷くと佐藤の車に押し込められそのまま病院へ直行。
縫合は行われたが刃物の先が神経を傷つけていたらしく後遺症が残ると言われた。
『麻痺と動かしづらさか・・アメリカならいい技師がいるって言われてもな・・』
空瑠は三角巾で腕を吊りながら病院を出てきた。
「空瑠さん!」
どうやら待機していたらしい佐藤が空瑠を呼びそのまま本庁へ向かった。