番外編

□バレンタイン
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2月に入ってすぐの事・・

「それでは行ってきます」

『行ってらっしゃい』

沖矢の姿でもFBIとして働く様になった沖矢を空瑠は玄関で見送るところだったが

『あ・・』

「雪ですね」

玄関を開けて目に入るのは空から降って来る雪だった。

『意外に大粒・・これは振り続けたら積もりそう・・道理で、腕が疼く訳だ』

空瑠は沖矢の横に並んで空を見上げながら腕を擦った。

「体が冷えるから空瑠は部屋に入っていてください」

そう言って沖矢は空瑠の肩を押して玄関の中へ入れようとしたが

「あれ?昴・・マフラーは?」

1月の間はしていたような筈だが・・

空瑠は記憶を辿っていれば沖矢はあぁと声を出し

「恥ずかしい話、煙草を吸っている時に灰を零して穴を空けてしまったんですよ」

首元が寂しいが致し方ないと話す沖矢に空瑠はどう返すのが正解なのかイマイチ分からなかった。

「さて、私は行ってきますが空瑠は部屋に居てください。腕、疼くようでしたら無理はしないでくださいね」

『流石にこの体と長く付き合ってるからそれくらいは把握してるから大丈夫だよ』

沖矢の心配ぶりに空瑠は大袈裟だと呟くが沖矢は眉を寄せ何故か呆れたように肩を竦め再三注意するように促すと工藤邸を出て行った。

『さて、バレンタインまで2週間切ってるけど・・それくらいなら作り切れるかな・・2つ』

空瑠は呟きながら毛糸があったかどうか確認するべく部屋へ向かった。

そして2つと言ったのは赤井と沖矢でおそらく色合いは変わると言う事で別々に作る事に決めたのだ。











何とか沖矢に気が付かれない様に作成するのには意外に難しくプラス女性名探偵としての依頼も来たりするとますます時間は取れなかったりするが・・

『何とか、間に合った』

沖矢用は先に作り終えていたが赤井用のマフラーがぎりぎりになってしまいそれをラッピングし終えたのが13日の23時。

『喜んでくれると嬉しいかな』

ポツリと呟いた言葉に空瑠はフッと笑みを零しラッピングしたそれを撫でる様に触れると部屋を後にした。












14日当日。

空瑠は制服に着替えラッピングした沖矢用のプレゼントを持ってリビングに向かったが

『・・・?』

そこに沖矢の姿は無く

『あ、そっか・・そう言えば今日は早めに出るって言ってたっけ』

昨夜言っていた事を思い出し何となく落胆した気持ちになり大事そうに鞄にしまった空瑠は自分用に軽い朝食と珈琲を用意し、まったりと朝の時間を楽しんでから学校へ向かったのだった。

勿論、その鞄の中には蘭や園子用に作ったチョコレートが入れられている。

「空瑠!」

「おはよう!」

丁度下駄箱であった蘭と園子に声を掛けられ

『おはよう。蘭、園子』
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