翡翠とアメジスト3
□迫る黒の刻限
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ポルシェ356Aの車内では
「亡霊に決まってるじゃない。だって、赤井秀一は私がこの手で撃ち殺したんだから」
フッと笑みを零しながら言う水無にジンは拳銃を向けた。
「ジン私はあなたの目の前で撃ち殺したでしょ?」
銃口を向けられ水無は肩を竦めるがジンは目の前でなく画面越しだと主張した。
それは
「モニター越しならお前に小細工できる時間はあった。違うか?キール」
そう、ジンは小細工できたと言うが水無はそれを否定した。
「彼や私に先の先まで見通す神がかり的な頭脳があれば話は別よ?そう、シャーロック・ホームズのようにね」
話しながら水無の頭には2人のホームズの顔が浮かんでいた。
それこそ、切れ者と呼ばれていた赤井が一目置いている少年と女性の顔が。
「今は天敵がいなくなったことを素直に喜びましょ?」
水無の言葉にジンは銃口を退けるとあくどい笑みを浮かべた。
「奴が生きていたとしたらもう一度殺れるんだからな。嬉しくてゾクゾクするぜ」
舌なめずりでもしそうな勢いのジンに水無は視線を鋭くしウォッカもジンから視線を外したのだった。
そしてジンは赤井らしき男が出てくるのを自分の目で確かめるためウォッカに車を百貨店の向かいに停めるように言うがウォッカは地下駐車場に張り込んでいたコルンに連絡していた。
それは百貨店で何かが起きているという知らせ。
そしてコルンが見たのは爆発物処理班と機動隊が入っていく様子だった。
コルンの知らせにウォッカは驚きを隠せず、ジンもまた訝かしむように視線を鋭くしたのだった。
ところ変わって百貨店の中、毛利はその赤いアンダーウェアを売っている店に行っていたがその販売員は毎週贈るべく買っていた人物に覚えはないと言っていたのだった。
同じ頃のコナンと空瑠はといえば・・・
「あの・・コナン君もお兄さんも一体何を?」
せっせとコナンと空瑠は贈られてきたアンダーウェアを筋がついている通りにたたんでいけばまるで何かを表す暗号のような形になった。
『(やはり・・雪山・・)』
空瑠はそのアンダーウェアを見ながら内心で呟いた。
「なんだか不気味・・」
蘭はたたまれたアンダーウェアをみてそう呟き
「何かホームズの小説にもあったよね?」
「あぁ・・もしかして」
『踊る人形か?』
「あ・・はい。まるであの暗号みたいで」
コナンが答える前に空瑠が答えれば蘭は空瑠の方を向いて苦笑しながら言ったのだった。
『なら、これも暗号かもな』
「そうそう、送られてきた順に右から読んだら言葉になったりして」
ニヤリと笑う空瑠にコナンも同意するが・・
戻ってきた毛利に思いっきり耳を引っ張られ本気で痛がったりしていた。
空瑠はその様子を見てフッと笑ったが視線をアンダーウェアから客の方に向ければそこら中の人が携帯で電話をしていた。
『(警察へ通報するなって言っても、これだけの人数が電話していれば誰がどこにかけたかなんてわからないだろう・・と、なるとこれは単独犯かな)』
「変〜身〜!やったったっとう!」