翡翠とアメジスト3

□幽霊ホテルの推理対決
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空瑠はwingsの招集ではないが杯戸ホテルのある一室で羅瑠と対峙していた。

「わざわざ来てもらってすまないね。空瑠くん」

『構いませんよ。今日は予定があったわけではありませんから』

そう言って空瑠は出された珈琲に口をつけた。

『それで、話とは?』

「匿名のある人からとだけ伝えたいんだが・・」

『それは構いませんが一体・・?』

困ったような顔をする羅瑠に空瑠は首を傾げた。

「これは空瑠くんの事ではないのかい?」

そう言って羅瑠は懐から一枚の紙を空瑠の方に滑らせた。

『無自覚性PTSD・・患者名なし、検査の結果は陰性。しかし言動及び行動から無自覚性PTSDと診断・・これが私だと?』

空瑠は紙から顔を上げ羅瑠の方を見た。

「可能性は高いと思っただけだよ。現に、彼が死んだことになってから空瑠くんは精神的に参っていたからね」

『そこは否定しませんが・・無自覚性となると、本人が自覚していないということになりますから・・私がそうだとは言い切れません』

空瑠はそう言って紙を羅瑠に手渡した。

『それで、この話が何かあるんですか?』

「これが保管されていたのはwingsの仲間が経営している個人医院だ」

『まさか・・』

「あぁ、どうもデータの一部が盗まれたらしい」

羅瑠の言葉に空瑠は眉を寄せた。

『厄介ですね。仮に、その情報が私だと仮定するならば、7年前のことも情報が漏れている可能性は零じゃないですから』

「あぁ。今、悠くんと瑠希くんが事にあたっている」

『私の方でもやりましょうか?』

「いや、もしこのデータを盗んだのが奴らだとすると・・」

『逆に私が動くのはまずいですね』

空瑠は腕を組み頭の中はフル回転していた。

「一応、伝えておくべきだと思ってここに来てもらったんだ」

『そういうことでしたか』

納得が言ったと言う顔をする空瑠に羅瑠は困った顔をしていたのだった。

「wingsとして活動しながらこの失態は右腕として働く私の責任だよ」

羅瑠の言葉に空瑠は首を傾げた。

『そこはリーダーである私では?』

「情報が上がってくるまでに時間がかかってしまってね。それは私の責任なんだ」

『だからと言ってはいそうですか。で、片付けるつもりはないですよ?』

ニヤリと不敵に笑った空瑠に

「!っ瑠維!」

羅瑠は空瑠の父、瑠維を連想した。

『どんな些細なことでも良い。わかり次第連絡しろ。盗聴を恐れるならこうして直接報告しろ。wingsを奴らに知られるのだけは避けたいからな。頼んだぜ?羅瑠』

「あっ・・あぁ・・」

『父ならきっと、こう言ったでしょうね』

クスリと笑みを浮かべた空瑠に

「全く・・よく似た親子だよ。空瑠くんも、瑠維も」

驚きを隠せずソファに寄りかかる羅瑠に空瑠はもう一度真剣な表情になると
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