翡翠とアメジスト3

□探偵たちの夜想曲(事件)
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空瑠はコナンから安室が毛利の弟子になったこと、空瑠にも興味を示していたことを話しに工藤邸にやって来れば

『まぁ、敵にしろ味方にしろ、“私”だということがバレても“俺”にまでは届くことはない』

つまり探偵として動く白夜空瑠だとバレてもwingsのリーダーである刹那だとバレる事はない。

「でもよー」

未だ納得の行かないコナンに

「まぁまぁコナン君。空瑠の言うことは最もだと思いますよ」

キッチンから三人分の珈琲を淹れて来た沖矢はそれぞれの前に置いた。

「昴さんは不安じゃないの?」

「不安ですか・・そうは言っても私はその安室さんに会った訳じゃないですし、空瑠の話からして少々自己評価とプライドの高い方。位にしか思っていませんが」

「プライド?」

沖矢の言葉に首を傾げたコナンに空瑠と沖矢は互いに顔を見合わせるとクスリと笑った。

『この間の事件、やたら安室さんはDNAの事から伴場さんを犯人にしようとしたでしょ?それこそ、目の前で倒れこんだのに伴場さんの靴を見ていなかった。まぁ、あれが演技で実は真相が分かってたっていうなら話は別だけど』

空瑠はそう言いながらカップに口をつけた。

「空瑠の話を聞いて二人で分析した結果がこうだったんですよ」

ニコリと笑みを浮かべる沖矢に

「(この二人敵に回したくねー)」

とコナンは内心で思い冷や汗をかいた。

『そう言えば毛利さんのパソコン、ホームページがどうとか言ってたっけ?』

空瑠は話題を転換するように首を傾げれば

「うん。空瑠さんも確かやってるんだよね?」

『形式的にってくらいかな』

空瑠は部屋に置いているパソコンを取りに行くべくリビングを出て行った。

「昴さん形式的にって何かあったの?」

首を傾げるコナンに沖矢は苦笑し

「立ち上げた直後に殺到しすぎてサーバーがパンクしたらしいんですよ」

「ははっ。さすが女性名探偵。スゲー認知度」

半目で笑うコナンに沖矢も肩を竦め

「まぁ、忙しいといろいろ考えなくて済むとは空瑠も言ってましたが・・その依頼が全国各地みたいですから」

「空瑠さん、どうしてるのそれ?」

「少しずつ処理はしてるみたいですよ。難しい案件でなければ電話で話を聞いて解決する場合もありますし」

「それで最近土日は特に居なかったんだね」

納得したコナンに沖矢は困った表情をし

「頑張りすぎて倒れないと良いとは思いますね。バイクで出掛けることが多いですから」

「そっか」

『お待たせ。とりあえずこれだけど』

そう言って空瑠はリビングに入るとホームページを見せた。

「すごい件数!これ全部依頼?」

『半々だよ。依頼半分、ファンレターみたいな形で応援メッセージと後はやっかみみたいな批判的な文章も書く人はいるし』

記載された数字にコナンは驚きの声を上げ空瑠はその中のひとつの依頼ではなくファンからのメッセージを見せた。
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