10万hit記念リクエスト小説

□家庭訪問
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黒の組織を壊滅させ空瑠と赤井が結婚したのはもう何年も前の話。

そして二人の間に生まれた息子は既に10歳となりアメリカのジュニアスクールに通っている。

勿論、赤井は未だ現役のFBI捜査官。

妻となった空瑠も探偵を生業としているが、FBIから捜査協力を求められれば一緒に会議に参加し捜査を行うこともしばしば。

新米のFBI捜査官は空瑠の事も捜査官だと疑わなかったりもする。

赤井の妻だと知った時の驚きは決まって同じリアクション。

それは置いておくとして・・

二人の息子、龍一は2人に似て運動神経抜群で頭脳明晰、10歳にして周りへの気配りや友人関係も広くジュニアスクールでは何かと名が挙がることが多い人物。

今回はそんな息子、龍一の事を気に掛ける担任と赤井家の話である。

龍一の担任が龍一の両親、つまり赤井と空瑠に不信感を持つようになったのは担任になってから意外と早く。

最初は龍一の腕にある痣や包帯を巻いてスクールに来ることを不審に思った時。

その後、何かと理由を付けて赤井や空瑠と面談をしようとする担任だが、現役捜査官やアメリカで有名となった探偵はそう簡単に時間が作れず面談が出来ていないためどんな両親なのか担任は知らない。

龍一から聞いた話は

「父さんは帰ってくる時間が遅いけど、一緒に居られるときは居てくれる。格好いいヒトだよ。母さんは俺に優しさや心の強さを教えてくれたとても聡明で素敵なヒトだよ」

自慢げにそう話す龍一に担任はその時はそうなんだと頷いた。

しかし

「龍一!その傷どうした!?」

体育で着替える際に見たであろうクラスメートの声は驚きの物だった。

「あぁ、これ?」

龍一の背中や腕、足、至る所にある痣に龍一は何でもないように言うが

「痛くないのか?コレ」

「今はもう痛くないよ」

ケラケラと笑う龍一にクラスメートは担任に痣の事を知らせ担任は龍一が虐待されてると確信し

「どんな親かこの目で確かめるわ!」

そう息巻いており龍一に予め両親が居る日を聞いていればどうやら次の休日は両親がどちらも休みらしく龍一は嬉しそうに教えていた。

担任はアポなしだからこそ現状を知れると思い次の休日、赤井家に赴く事にした。

所謂家庭訪問である。

もし、虐待現場に遭遇したら直ぐにでも警察や児童保護施設に連絡するつもりでその手の人達には予め連絡し手を回すほど用意周到にしていた。

「さぁ、暴かないと!」

担任は意気込んで赤井家に向かえば・・

「なんて立派なお家なの!?」

見えてきた家に担任はまず驚くが門から玄関までに距離があり玄関へ向かうべく歩いていれば

‘バシッ・・ゲシッ・・ドガッ’

庭の方から打撃音が聞こえ

「っつ・・・」

龍一の呻き声も聞こえて来て担任は逸る気持ちを押さえられず走りながらその音がした方に向かえば

「はぁっ!」

「甘い!」

そこには独特の構えを取りまるで何かの稽古のような動きをしている父子が居た。

「えっ・・?」

どうやら庭先らしく子供は間違いなく担任が受け持っているクラスの龍一。

そしてその向かいに聳え立つ様な長身の男は龍一とよく似た容姿をしていて誰が見ても一目で父親だと見当がつく。

そしてそんな二人を微笑みながら見守っているのは母親だろう事も。

龍一と同じアメジストの瞳を細め立ち姿は凛としておりよくよく見なくともアメリカで有名な名探偵であることに担任は気が付いた。

「あれ?先生!?」

どうやら棒立ちしていた担任に父親である赤井が気付き龍一に聞けば担任らしいことが判明した。

「りゅ、龍一君」

「先生どうしたんですか?」

首を傾げる龍一に担任は何と答えていいやら・・
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