10万hit記念リクエスト小説

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アメリカFBI本部ではFBIの切り札と言われて組織からはシルバーブレッドと恐れられている男、赤井秀一と赤井同様に頭の回転が早く銃の腕や体術に秀でており赤井自ら相棒と認めた女性がいた。

「空瑠、あのファイルあるか?」

『秀の机の左端に積んである』

「悪いな」

『私も必要だった書類があったからついでだ』

そう言って席を立ち上がったのがその相棒、白夜空瑠である。

女性にしては高い身長、少し低い声、腰ほどまで伸ばされた黒のロングストレートヘア。

赤井の髪が長い時は互いに黒っぽい服を好んで着ており黒の長い髪、似たような立ち姿に一瞬後ろ姿では判断できなかったという噂もあった。

勿論、今は赤井が髪を切った事もあってその心配は無用となっている。

『はい。根詰めすぎるのは毒』

「あぁ、すまん」

戻ってきた空瑠の手には二つのマグカップが握られその片方を赤井の机に置いた。

そして2人は多くを語ることはせず少ない言葉の中でやり取りを行っている。

傍から見れば何故それで意思疎通ができるのかと首を傾げても2人揃って答えるのは

『「感覚的なもの」』

という事だった。

「空瑠」

『良いけどその事件部下の話しか聞いてないから現場見てないけど』

「あぁ、構わん。頼めるか?」

『了解』

赤井から渡されたファイルを見ながら空瑠はテーブルに地図を広げそれと一緒に現場の写真も広げていく。

「空瑠、シュウに何頼まれたの?」

傍で会話を聞いていたジョディは空瑠の机を見下ろした。

『この事件の犯人の行動予測。出来れば現場とかも見た方が出来るんだけど、おそらくこの犯人は今日動くだろうから』

暗に時間がないと空瑠は言い写真と地図を見比べ自分の推理を頭の中で展開していく。

そして現場の写真を指さしたり地図で経路を辿ったりとしていけば

『見えた』

ニヤリと笑った空瑠に隣で見ていたジョディは首を傾げるばかり。

『秀』

「あぁ」

名前を呼び合うだけで行動が分かり

『裏で麻薬密売組織と繋がってる』

空瑠は隣に並ぶ赤井にその事を伝えれば目線だけ一瞬空瑠の方を向き

「頼めるか」

一言告げる。

『了解。キャメル』

「あ、はい!」

空瑠は肩を竦めると部下の名前を呼び

『秀について行ってこの犯人捕まえて来い』

「残った者で麻薬密売組織を叩く。情報収集に当たれ」

「「「はっ!」」」

空瑠と赤井の言葉に部下たちは返事と共にフロアを出ていく。

「私の仕事がなかったようだね」

『まずかったですかね?』

フロアに入ってきたボス、ジェームズ・ブラックに空瑠はニヤリと笑いながら尋ねた。

「いや、叩くなら抜かりなくだ。これが条件だよ」

眼鏡を押し上げたジェームズの瞳がレンズ越しに空瑠を捉え空瑠は了解の返事をすると元からある情報を頭の中に入れるため資料室へ向かった。
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