翡翠とアメジスト

□序章
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『逃げなさい!!』

「ですが・・・」

戸惑う部下を叱咤して逃がそうと立ちはだかる女性の至る所には銃弾を食らったようで血が流れている。

それでも広げた両腕は下げようとせず最後にもう一度だけ振り返り

『あなたは生きなさい。生きて幸せになって』

そう頬笑みを浮かべ部下が走り出したのと‘バァーン’女性の胸に銃弾が撃ち込まれたのはほぼ同時だった。

崩れゆく自分の体と近くなる地面に自分は死ぬのだと女性は悟った。

しかし、痛みや苦しみはなくどこか眠るようにその瞳を閉じた。

死んだはずだった・・・
 

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