翡翠とアメジスト
□5年後
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その時が来たのは5年後・・
10歳になったその年、家に幾人もの黒服の男たちが押しかけ
「お前たちがwingsだな?」
疑問形で聞きながらもその手には銃が握られており激しい銃撃戦が勃発した。
「やはり奴らには筒抜けか・・」
「どうします?」
「瑠維さん!お子さんだけでも・・」
両親、そしてその仲間たちも引き金を引き続け必死に空瑠を守ろうとしたが・・
『舐めないで』
空瑠は両親の亡くなった仲間が持っていた銃を拝借し黒服の男たちの手を撃ち抜いていった。
「空瑠!」
「空瑠あなた・・・」
銃を構える両親は空瑠が銃を構え次々と銃を弾いていくさまを見せつけられ言葉に詰まった。
『お父さん、お母さん、ごめんなさい。私は・・・ここの世界の人間じゃないんです。ですが、貴方方に育てていただいたことには感謝しています。
今まで、愛情というものを貰ったことがなかったので・・嬉しかったです。ありがとうございました』
空瑠は両親に笑みを見せると持っていた銃の弾薬を詰め替え両手に銃を持って黒服の男たちに向かって突っ込んでいった。
「「空瑠!!」」
両親の声を聞きながら振り返ることなく空瑠は撃ち続けた。
しかし・・
‘カチッ’
なにかのスイッチを押すような音を瑠維と空瑠の耳は拾い
「!空瑠お前は生き残れ!そして俺たちの仲間と・・wingsを頼んだ!」
瑠維は空瑠をとっさに窓の外に投げ飛ばせば
‘ドカァン’
という音と共に家が吹っ飛んだ。
文字通り爆発して。
空瑠は咄嗟に辺りを牽制したが黒服の男たちは居らず舌打ちと共に自分が持っている銃を炎の燃え上がる家に投げ入れた。
そしてその顔や体の至る所には血が付着していた。
勿論撃たれた物もあるが、返り血もある。
その瞳に映る家は未だに炎を大きく上げ
『ありがとうございました・・・wings・・それがお父さんたちの組織・・・』
両親への感謝の言葉と瑠維の残した言葉を胸に空瑠は決心した目をした。
到着した警察や救急、消防などに嘘の事情を説明すれば警官たちはそうそうに引き上げようとしたが一人だけ上司に突っかかる者を空瑠は目の端で捉えていた。
その事件はアメリカに知れ渡るが詳細は不明とされている。
空瑠は孤児として孤児院に入れられる前に思いの外重傷を負っていたため病院に入院となった。