翡翠とアメジスト
□原作開始
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学年が上がり高校2年生となった空瑠たちだが、別段変わることもなくいつものように新一は高校生探偵と言われ毎日新聞やテレビを賑わせている。
しかしそこには空瑠のヒントが何度かあることは内密である。
高笑いをしながら歩く新一に空瑠は距離を置きたくなり溜息を吐いた。
それも蘭の拳によって直ぐに治まるも
新一はファンレターの数を自慢したり、蘭の父親毛利のヘッポコ具合を言っていたため蘭はムッとする。
「新一!覚えてるでしょ!トロピカルランドのこと!」
空瑠は隣で聞いているだけだが蘭が空手の大会で優勝したためそのお祝いとして新一は蘭をトロピカルランドに誘ったのだ。
『覚えてない訳が無いから大丈夫だよ』
心配そうにする蘭に空瑠はボソリと呟いた。
当日の朝
「んじゃ、空瑠俺行ってくるわ!」
『まぁ、楽しんできなよ』
見送った空瑠は以前顔を合わせたwingsのメンバーからの情報で気になることがあった。
『(黒の組織がこの日本で活動・・か)何もなければいいが』
空瑠は書斎で本を読んでいればいつの間にか辺りは暗くなり雨が降り出していた。
‘ドンドンッ’
玄関をノックする音に空瑠は疑問を感じてドアを開ければ阿笠博士と抱えられる小学生がいた。
『博士・・子供いたっけ?』
純粋な疑問に空瑠が首を傾げれば
「バーロー!俺だ俺!工藤新一だ!」
博士から下ろしてもらった新一と名乗る人物は必死に空瑠に説明するが
『とりあえず・・その服着替えな。昔の服、とってあったと思うから』
空瑠は新一の部屋に向かい昔の服を持ってきた。
『で、何があったわけ?』
「黒ずくめの男たちがなんか取引してたんだよ。んで、俺はそれを見るのに夢中になってて背後から来たもう一人に殴られて変な薬を飲まされたんだ」
『それが、その姿?』
「あぁ・・なぁ博士頼む!俺を元の姿に戻してくれ!」
博士の白衣を引っ張る新一とそれを宥める博士
「今は無理じゃよ!その薬の成分がわからんと・・」
「じゃぁ!奴らの居場所を突き止めて薬を手に入れればいいんだな!」
キラキラとした目で訴える新一だが
『新一、肝心なことを忘れていないか?』
「肝心なこと?」
『奴らは新一を殺すつもりでその薬を飲ませた。だとしたら新一が生きていることが奴らにバレれば周りの人間にも危害が及ぶ』
「あ・・・」
『とりあえず、新一には別の人間として生きてもらうべきか。このことを知っているのは私と博士、あとは優作さんと有希子さんにも教えておくか』
「ちょっと待ってくれよ!母さんたちは・・」
『これほどの人脈の広い人はいないと思うが?』
新一が静止をかけようとするが空瑠の正論に返す言葉がなかった。