翡翠とアメジスト

□山荘包帯男殺人事件
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『んで?あれからどうなのさ』

工藤邸のリビングで珈琲を出す空瑠はここ最近の近況を聞いていた。

「オメーはほっとんど蘭の家にこねーもんな」

『行く予定がないからね』

ジト目で見てくるコナンに空瑠はコーヒーを飲んで受け流した。

「おっちゃんのヘッポコ振りには呆れるぜ」

『だからこそ、博士に頼んで作ってもらった道具で今や眠りの小五郎と呼ばれるようになってるんだろ?』

「そーだけどよー」

『で、わざわざ近況報告だけのために来たんじゃないでしょ?』

「あぁ・・蘭から空瑠もって誘いだ」

『あぁ、園子のお姉さんの別荘に来てって帰りに言われたな』

「あぁ、行くだろ?」

『まぁ、暇だからね』

どこかホッとした様子のコナンに疑問があったがそこは気にせずコナンの愚痴という名の愚痴を空瑠は聞く側に徹していた。







そして空瑠は園子や蘭とは別で単独で別荘まで来ていたが・・

『あれ?蘭とコナンは?』

別荘に着いた空瑠を園子が案内していればいまだ見えない二人に辺りを見渡した。

「蘭たちならまだよ?」

『それ、迎えに行ったほうがよくないか?』

「・・・そう言えば蘭、方向音痴だったわよね」

思い出したように園子が玄関に向かうが

『園子、来たいみたい』

窓から丁度吊り橋を渡ってくる姿が見え空瑠も園子の後に続いた。

『そう言えば園子、この別荘に呼んだのって・・』

「やっぱりコナン君も来たか」

「え?なんかまずかった園子」

「こんなんじゃ恋愛もできないじゃないって」

『やっぱりそういう目的か』

呆れ半分で空瑠は溜息を吐き目があったコナンとも互いに苦笑した。

そして別荘の中を案内してもらっている時に

「なぁ、空瑠」

『ん?』

「オメーが来た時ってもう全員いたのか?」

『その子のお姉さんの知り合いなら全員』

「その中に包帯巻いてた奴いねぇか?」

『いや?園子、誰も包帯なんか巻いてなかったよね?』

「えぇ。そんな人いないわよ?」

「う〜ん」

悩むコナンと蘭を園子は部屋に行くように促したが・・

『園子、大雑把すぎないか?その説明』

聞いてて空瑠は呆れたような溜息を吐いていた。

そして落ち着いたところで自己紹介が始まり長髪煙草を吸う太田勝、ビデオを撮っている角谷弘樹、太っていてメガネをかけている高橋良一。

どうやら部屋の一件で何やらあったらしく蘭は謝っていた。

ポニーテールの園子の姉綾子に首にチョーカーを巻いている池田知佳子だった。

『あの、脚本家の池田さんだったんだ』

空瑠の呟きに綾子が反応しそれに蘭も乗っかった。

「ところでお嬢さん、お嬢さんの名前は?」

太田は隣に座っていた空瑠の方に身を乗り出すが

『(こういう男・・苦手だな・・)』

溜息が出そうになるのをなんとか抑え空瑠も自己紹介をした。

「え!?園子ちゃん達と同い年!?見えないな」

ビデオを回す角谷は驚きの声を上げた。

『年上に見られることが多いですから』

なんてことないように答える空瑠は確かに大人びて見えるため園子はこれで彼氏がいないのがありえないと豪語していた。
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