FBIと護り屋
□就職編2
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ケンがウィルの部屋で論文を作成し始めて3日目
『全く・・本当に一切手を付けていなかったんだな』
「煩い・・俺はウィルと違って要領良くないんだよ」
『それは知ってる』
「否定しろよ!」
『ったく、そこ。その言い回しだとおかしくなるぞ』
「あ、本当だ・・」
この会話がほぼ毎日のように続きウィルはあれから快適な睡眠が送れているが・・
如何せん切羽詰まったケンの唸り声で目が覚めることもしばしばなため快適ではあるが睡眠時間は足りてなかったりしている。
『休憩しろ。とりあえず食えるもの作ったから』
そう言ってウィルの寝室でパソコンに向かっていたケンに声を掛けウィルはリビングに案内した。
「食料なんてあったのか?」
『ケンがやってる間暇だからな。とりあえず買い出しはしておいた』
こう見えてウィルは案外料理が趣味だったりするため
「美味い」
美味しく3食ケンは食事にありついていた。
『とりあえず食ってろ。マスターから至急で言われた依頼だけ片付けるから』
そう言ってケンをリビングに残しウィルは仕事部屋へと入って行った。
「何か、気ぃ使わせてたか?」
ウィルの仕事部屋のパソコンはウィル専用であり、ケンが借りているのは寝室にあるパソコン。
気を使う必要はないのではとケンは首を傾げるがとりあえず用意されていた食事を口に運びウィルが部屋から出て来るのを待っていた。
しかし・・
「あ!」
ケンは自分の食べた分の食器を片していれば
「俺の分だけじゃねぇか!」
元から用意されていたのがケンだけの分でありケンはそれに憤怒しながらウィルの仕事部屋に向かい
「ウィル!」
部屋のドアを思いっきり開ければ
『うるせぇよ。んな音立てなくてもケンが動いたのは聞こえてたって』
呆れたような表情でウィルは一瞬ケンの方に視線を向けるがそれもすぐにパソコンへと向かってしまった。
「俺の分だけでウィルの分作ってなかったのか?」
『これ終わったら食うつもりだった。その前にケンが勘違いでここに来ただけだ』
そう言いながらもウィルの視線は画面から外れることはなく
「っと・・これ、何人見てんだ?」
ケンはまだ何か言いたそうだったが改めて画面を見れば1秒と掛からずに3台あるモニターの写真は切り替えられその中の何枚かをウィルはクリックして目印を付けていた。
『今、勢力上げてる組織3つ分』
「はぁ!?100は超えるだろうが!」
『だから、集中してやりたかったんだよ』
ケンの言葉にウィルは流していた画像をストップし後ろに居たケンの方を振り向き細められた右眼には苛立ちと若干の怒りの色が見えていた。
「・・スミマセン」
『あぁ』
その瞳に見つめられればケンは謝る外なくウィルもそれに返事をし
『8割終わった。後の2割は後でやるよ。流石に腹減ったからな』
「何か・・悪い。今のは完全に俺の早とちりだな・・」
『ケンも焦ってるのは分かってたからな。食ってる間に終わるかと思ったが・・流石に終わんなかった』