恋を知った
□3ヶ月後
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赤井side
結局俺はあのままレイネスが指導役としてバディを組むことになり白夜は今まで通り一人で捜査を行うようになった。
そんなある日
「そうだ。赤井君明日休暇を取ってくれ」
ボスに報告書を出せば思い出したように言ってくる。
「自分ですか?」
「君はまだ新人だからね。今は立て込んだ事件もないから一度取ってくれるかな」
「しかし・・・」
今更休暇と言われても・・・
「いいからとっとけって」
「レイネス」
俺と同じように報告書を出しに来たレイネスは俺の肩に腕を乗せ
「俺ぐらいになると早々取れないんだからよ」
「・・・」
レイネスを睨むも意味を成さず
「空瑠君もそろそろ休暇だ」
デスクで作業をしていた白夜にも声をかけるボスに白夜は作業を中断しこちらを向いた。
『もう、そんな時期でしたっけ?』
まるで自分の休暇を分かってないような言い方だった。
「秀一、やることあるか?」
「休暇を取るとしたら何もないが?」
「ちょうどいいな。空瑠とデートしてこい!」
「な!?」
「空瑠は休暇を取らせても一人だと結局捜査しちまうから休暇重なった奴が見張りみたいにして一日捜査させないようにすんだよ」
暗にお前もマンションの部屋見ただろと言われている気がした。
『レイネスそれは赤井捜査官に失礼だし迷惑よ』
こちらにやってきた白夜に睨まれるもホントのことだろと笑って返すレイネスに呆れたため息をつく白夜。
「空瑠やることあるのかよ」
『・・・夜に美術展は見に行くつもり』
「なる。空瑠の取ったチケットナイト制だもんな」
二人の会話を聞きながら
「私からも頼めないかな赤井君」
ボスも困った表情で白夜を見ていた。
「わかりました。いいですよ」
俺はやることもないとそのままボスの言う通りにすることにした。
『迷惑では?』
未だに敬語で表情も硬いが普通に話すようになった白夜が俺を見上げる。
「特別やることがあったわけでもない。それに夜までは暇なのだろう?」
『そうですが・・・』
未だに不安そうにする白夜に俺は強硬手段に出た。
「明日。迎えに行こう。10時でいいか?」
『あ、はい』
約束を取り決め迎えに行くとすれば断ることはないと踏んでいた。
「ではまた明日な」
そのままフロアを出ようとすれば後ろから口笛が聞こえた。大方レイネスがからかいも含んで吹いたのだろう。