恋を知った
□事件解決
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主人公side
今日も赤井さんは捜査に向かった。
レイネスから資料を見せてもらったわけじゃないから詳しいことは知らない。
「空瑠君少しいいかな?」
『なんです?』
ボスに呼ばれていけば今起きている通り魔事件の被害者が犯人を覚えているらしいが、情緒が不安定なのと話したがらないので捜査協力を求められないらしい・・・
『それで、私ですか・・』
「頼めないだろうか」
ボスが私にやらせようとしているのは犯人の似顔絵作成。
それも被害者が不安にならないようにケアをしながら
『わかりました』
趣味として始めた絵画はいつの間にかこういう形でやることが多くなった。
5年前ならまずありえないことを私は今行っている。
スケッチブックを持って被害者の家に向かった。
被害にあった子は私とそうそう年齢が変わらないような子だった。
相手からすれば私は年上に見えるらしい。
『事件のことは言わなくていいよ。ただ、相手のどこを見たか教えてくれる?』
私の問いに目を丸くしていた。どうやら前に来た捜査官は事件のことを何もかも言わせたらしい。
『思い出したくないことを言わせることはしたくないの。ただ、顔のパーツを見てたらどこを見たのか教えて欲しいの』
「そんなのでいいんですか?」
『印象に残っているところだけでいいわ』
「小鼻だったのと、眉毛が太くて短かった・・・」
彼女がこぼす印象を下に私はスケッチブックに書き写していく。
『こんな感じ?』
「そうです!」
何度か描き直し、修正を加えて完成させた似顔絵に女の子は興奮したように声を上げた。
『ありがとう。怖くない?無理やり思い出させちゃって』
「怖くないって言ったら嘘かもしれないけど、捕まえてくれるでしょ?」
『勿論よ。これ以上被害は出させないわ』
女の子の髪を撫でて私はその子の家を後にして本部に戻った。