恋を知った
□銀の薔薇と十字の薔薇
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赤井side
明美と恋人という関係を装い組織に潜入しコードネームを貰うことに成功した。
明美は俺がFBIだと知っていてもそれでも好きだと伝えてきたが・・・
俺はそれに答えられなかった・・・
空瑠のことが頭を過ぎり続け、好きだと、愛していると自覚させられるばかりだった。
そして幹部の一人ジンと仕事をすることが多くなったが・・・
奴らの仕事を阻止することができるようになってきている。
今回、俺は本部で待機だが、ジン、ウォッカ、キャンティ、コルンは仕事だと出て行った。
待機中に奴らの事を探るのが俺の任務だが・・・
今日はやけに帰りが早かった。
扉が開き苛立った様子のジンはタバコを噛み切らんばかりに噛み締めソファにドカっと腰掛けた。
「随分荒れてるなジン。何かあったのか?」
「今回も阻止しやがった・・・ローズのやつ・・」
忌々しげに呟いたその言葉に俺は引っかかった。
「ローズ?」
俺が聞き直せばジンは紫煙を吐きつつ
「そういえばライにはまだ言ってなかったな。最近、俺たちの仕事を妨害する奴がいるんだ。お陰でターゲットを殺り損ねることが多くなっていてあの方もローズには気をつけろと言うくらいだから相当な切れ者なんだろう」
「妨害とはどういうことだ?」
「どこから撃ってるのかしらねぇが、俺の気がつかねぇ射程圏外からキャンティとコルンのライフルのスコープや引き金を撃ち抜きやがる。唯一の目撃情報はガンケースを背負った白銀の髪だけだそうだ。全身を黒で覆われ男か女かさえもわからなかったらしい。あの方はシルバーローズと呼んでいる」
タバコを灰皿に押し付け新たなタバコを咥えて苛々と火をつけるジンを見ながら俺の鼓動は信じられないくらい早くなっていた。
「あーもー!ローズの奴!アタイのスコープどうしてくれんのさ!!」
「俺・・・引き金やられた」
苛々と声を上げながら部屋に入ってくるスナイパー二人に俺は何も言えない状況が続いた。
「それと、最近俺たちと関わりのあるマフィアや組織が次々に壊滅していることにも俺は気になっている・・」
俺が抜けるのも時間の問題だとそのときは思っていた。