3万hit記念リクエスト小説
□射撃勝負
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トロピカルランドとは別のテーマパークと言うのもここは東京都ではなく静岡県
今回空瑠は依頼された事件を解決するべく静岡県に来ていたんだが・・・
無事解決しあとは帰るだけという時に
「行くぞ」
何故か空瑠の前を歩く見慣れたニット帽に真っ黒な黒服の長身男性。
『ちょっと待って』
空瑠は赤井の肩を思いっきり引っ掴み赤井が数歩後ろに下がるくらい思い切り掴んだのだった。
「いきなり引っ張るな。倒れるかと思ったぞ」
全くそんな気が微塵もない声で振り返り空瑠に文句を言う赤井に空瑠は溜息を吐いて
『何がどうなってこうなったの?』
全くの意味がわからないと空瑠は頭を抱えた。
「そういえば何も話していなかったか」
きょとんとした顔の後に赤井は思い出したように事の発端を話しだした。
と、言うのも赤井のポケットから出されたのはこのテーマパークの射撃大会の参加証。
何故そんなものを持っていると言いたくなるがとりあえず話を聞くべく空瑠は頷くことで先を促した。
赤井の話を要約すれば
『つまり、このテーマパークで開催される射撃大会の商品を所望しているのが哀なわけだ。で、それを取るべくここまで秀一はやって来て、且つ私の予定を把握していたと?』
「あぁ、そういうことだ。俺としては空瑠と勝負したいというのが本音だが」
それが本音か。
と思わず内心で突っ込んでいた空瑠だが、空瑠の事を慕ってくれる灰原になんだかんだ甘いわけで・・
『まぁ、哀のためにやりますか』
そう言ってしまう空瑠だった。
「行くぞ」
赤井に腕を引かれ参加登録ブースに向かえば
「参加登録をしている秀一と空瑠だ」
「参加証の提示をお願いします」
事務的な口調で受付の女性は言い赤井は持っていた参加証を渡した。
「確認できました。それではクジの方をお引きください」
そう言って箱を目の前に出され空瑠と赤井はそれぞれクジを引いた。
箱の中にはカラーボールが入っておりそれに数字がふってあった。
「ここは登録ブースとは名ばかりの謂わば招集場です。参加登録された方々にクジを引いてもらいその順番を決める場所なのです」
ボールをまじまじと見ていた空瑠と赤井のために受付の女性は丁寧に教えてくれそれぞれ番号は赤井が3番空瑠が15番。
『あれ?参加者、何人だっけ?』
ふと自分の番号に首を傾げる空瑠に
「全15名が登録されています」
『ってことは大取か』
空瑠は呟くように言い番号を一瞥した。
「大会開始は30分後ですので遅れないようお願いします」
受付は丁寧にお辞儀をし空瑠と赤井も会場の中へ足を踏み入れた。