翡翠とアメジスト2

□4台のポルシェ
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‘コツッコツッコツ’

駐車場に響く足音で空瑠は目を開ければその人物はポルシェの持ち主暮木だった。

灰原もその音で目を覚ました。

そしてその後ろから血相変えて入ってくるコナンと訳わからないという顔をして付いてくる博士。

例外なく起こるのが事件である。

コナンと車から降りてきた空瑠が確認したのはポルシェ911の助手席で死んでいる伴場の姿であった。

暮木が警察に電話している間に空瑠は事情を聴くべくコナンに視線を向けた。

『何があった?』

「さっき、俺の姿がテレビに映ったんだ」

『!っなるほど・・誰かに尾行されてる可能性がある中でカメラに映ったのはマズイな』

「あぁ・・だから博士、早く灰原を連れて行ってくれ」

車を出す博士だが、既に規制がかけられ出ることができなかった。

『参ったね・・どうも』

空瑠はコナンの会話を聞きながら肩を竦めた。

「悪ぃけど空瑠・・」

『了解』

早期解決のために手伝えということであり空瑠もそれを了承した。

『(なんか最近・・新一といると依頼じゃない事件に巻き込まれること多いな・・)』

溜息を吐きそんな事を考える空瑠だった。





現場検証が始まり死亡推定時刻は午後1時前後・・

容疑者は同じポルシェに乗りこの場にいた3人に絞られる。

その時刻空瑠がこの場に居り暮木以外の靴音を聞いていないという証言からも容疑者が絞られる結果となった。

それぞれ伴場との関係、愛車を確認し暮木のグローブボックスにはオルゴール、布袋の後部座席には釣具、泰山の助手席にはポルシェのラジコンカーが乗せられている結果となり、コナンの一言で監視カメラの映像を確認することになった。

警備室に同行することとなるが、そこで来てしまったのが博士のビートル。

そして・・登場するのがデパートにお粥を食べに来ていた蘭、園子、ジョディだった。

『(嘘だろ・・・)』

頭を抱えたくなる空瑠である。

そして何気なく蘭がビートルの後部座席を見ればそこに横たわる灰原を見つけた。

勿論、それを見逃さないジョディでありコナンは慌ててジョディを車から離そうと警備室に行くように促していた。

『(ご苦労さんだな・・)』

半ば諦めた空瑠は口出しせず成り行きを見守っていた。

警備室の映像で不自然なところは見つからずコナンは焦っていたが鑑識が持ってきたそれぞれの車内の写真を見て閃いた。

「空瑠・・」

同じように写真を見ていた空瑠もコナンに頷いた。

そして空瑠は目の端で何かを考えていたジョディの口角が上がるのを見逃さなかった。

事件をコナンに任せ空瑠はジョディの横に並んだ。

『どこに行く気ですかね?』

フッと笑みを浮かべながら聞けばジョディも笑みを浮かべ分かるでしょ?と返してきたため並んでデパートを出てジョディの車に乗った。

丁度灰原を抱えて出てきた博士を拾うような形となって。

『それじゃ、私はこれで』

博士の家に着いた空瑠はその後ろからやってきていたシボレーを横目で確認し工藤邸に帰った。

『wingsとしても動くべき時・・か・・』

フッと笑みを浮かべる空瑠に持っていた携帯にメールが届いたのはすぐ後。送り主は言わずもなが。
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