翡翠とアメジスト3

□幽霊ホテルの推理対決
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『先程の言葉は私の思いです。どんな些細なことでも報告を頼みます。最優先は奴らに知られないようにすることです』

「了解した」

『では、私はこれで』

空瑠は部屋を出て行き残された羅瑠は一人溜息を吐いていたのだった。

しかし、空瑠が帰ろうとした瞬間

‘ドンッ’

何かが落下する音が聞こえ

『何だ?』

空瑠は音のした方に顔を向けるとコナンが走っていくのが見えた。

『新一が向かったのは駐車場。だとすると、原因は上か』

空瑠は瞬時に判断すると別館に向かいエレベーターに乗ったのだった。

『とりあえず目暮警部に連絡』

空瑠は先にホテルで殺人が起きたことを目暮に伝え現場とであろう屋上に行く前に警備の人にエレベーターや階段を見張るように伝えていればどうやらコナンたちが先に屋上に向かったらしい。

空瑠が屋上に向かえば

「これは殺人だよな?坊や」

コナンに同意を求めるようにして状況を説明していく帽子を被った女性。

「僕の名前は世良、この坊やと同じ探偵だよ」

『探偵・・ね』

空瑠は腕を組んでその様子を見つめていた。












そして到着した目暮たちと合流し

『目暮警部』

「おぉ、空瑠くん!すまないな連絡してくれて」

『いえ、遭遇したものですから』

笑顔で答える目暮に空瑠は首を横に振った。

「空瑠!?」

「どうしてここに!?」

『別件でこのホテルに用があってね。帰ろうとしたところで例の物音を聞いたんだ』

驚く園子と蘭に空瑠は簡易的に説明し

『それで高木刑事、別館にいた人物は?』

「あぁ、空瑠さんに頼まれてエレベーターや階段を見張っていた警備員の話によると出入りしたのは空瑠さんたちだけだそうだよ」

『そうですか』

空瑠はさして驚きもせず顎に手を当てて考えていたがその話を聞いて世良は驚いていた。

「いつの間に警備員の手配を・・」

空瑠の行動に驚きを隠せず

『亡くなった男性の特徴は?』

「上住貞伍さんはこのホテルのオーナーの息子さんで特別に別館を使わせてもらっていたらしい」

『なるほど。そして、酒の匂いから相当な泥酔状態だった事が伺えますね』

「このホテルにはマスコミの目を盗む必要があってのことらしい」

『マスコミ?』

空瑠はその言葉に眉を寄せ

「振り込め詐欺の首謀者だが証拠不十分で釈放されたんだよ」

『それ、確か先週まで騒がせていた話ですよね』

空瑠も記憶に新しいニュースでありマスコミ相手に暴れたりとホテルの改装を期に上住を海外に移住させようとしていたらしい。

そしてそれを聞きつけてやってきたのが被害者三人だった。

最初に昼川利子が上住の部屋に入ったが泣きながら罪を認め話をするから酔が冷めるのを待って欲しいと言われたらしく他の二人と上住の声を録音するために録音機器を買いに行こうとしたところ転落してきたとのこと。
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