FBIと護り屋

□勧誘編1
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「まぁ、出来る事なら・・と、言いたいところだが君は別にここの事を誰かに言う訳ではないだろう?」

「当たり前だが」

「ならば問題ない。尾行は?」

『無かった。が、あの依頼どうなった?』

「何か気になるのか?」

『あれで解決って言うのがどうも引っ掛かって・・』

「相変わらず、ルイの思考には驚かされるね」

マスターは目を細めると懐から写真を取り出しウィルだけでなく赤井にも見える様にカウンターに置いた。

「この人物は?」

赤井は写真を見ながらどこか見た事がある様に思い記憶を引っ張り出そうとするが

『元傭兵・・表ではバーのマスター。裏ではその地域の頭領(ドン)』

ウィルは写真の人物を指で叩きながら呟いた。

ウィルの呟きで赤井はその人物から情報を聞き出したことがあった事を思い出した。

「よく覚えていたな」

情報を聞き出したのも既に5年以上前の話。

『1度、見た事があるからな・・6,7年前だけど。で、マスターがこの写真を見せたって事は・・』

「間違いなく関わっているな」

『・・・俺が担当?』

「いや、これは私たちでは手に負えんよ」

マスターは写真を回収し首を横に振った。

「話が見えないんだが・・」

赤井は漸く口を挟み

「数日前にルイが担当した依頼にちょっとね・・」

『トカゲの尻尾。完全に切られた感じだったから来るとすれば俺に対してだって言うのは分かってたからな』

「で、ルイには尾行の有無を確認してもらっていたのさ」

「そう言う事か・・俺が頼んだのはマズかったか?」

『今更それを言うのか?』

「一応な」

罪悪感とまでは行かないが赤井にも感じるものはあったらしく視線を逸らしながら呟く赤井にウィルは声を立てて笑った。

「ルイ、今日の依頼は中止になった」

『はっ?何で?』

笑っていたウィルはマスターの言葉に目を見開く。

「その件があったから主催者側が念のためにとパーティーを1週間の延期だ」

『って事は俺今日暇?』

「そう言う事だ。偶にはゆっくりしなさい。ただでさえ今は要らん依頼までこなしているんだからな」

そう言って細めた目を赤井に向けるマスターに赤井は頭を下げた。

『俺も了承してやってんだからあんまり責めるなよ。マスター』

「そうだ。君にこれを。今日はそのために来たんだ」

そう言って赤井は懐から封筒を取り出すとウィルに手渡した。

『FBIの勧誘か・・』

そこにはFBI長官と赤井の上司の名前が記されていた。

「今すぐではないが・・考えてはもらえないか?」

『だってさ、マスター』

赤井の言葉をウィルはそのままマスターに振った。

「私に言われてもね・・自分で考えることだ」

マスターは肩を竦めるだけでそのままウィルに戻ってきたためウィルは溜息を吐くとその封筒を赤井に突き返し
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