FBIと護り屋

□勧誘編3
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『んで?語り合おうなんて言うが・・そろそろ決断しようって事だろ?』

FBIの勧誘を受けるかどうか。

「あぁ。実際、ウィルはどう思ってるんだ?FBIに入る事」

『さぁな。どうと言われてもな・・半分既に入ってるようなもんだからな。マスターにも聞いたが、自分で考えろって言われたしな』

「へぇ。マスターが」

ウィルの言葉にケンは片眉を上げて驚きの表情を作りそれを言ったマスターの顔を思い浮かべた。

『あぁ。FBIに入ったからって護り屋を辞めるつもりはねぇし』

「それってハードすぎねぇ?」

『それは俺も言った。まぁ、俺のやる事は変わらねぇからな。強いて言うなら表の護衛が減るってだけだ』

「そうなると、俺も裏に回るか?」

『だな。流石に入った後で表の護衛はマズいだろ。特にケンは』

「やっぱ?」

『まぁ、俺らの主軸が少し変わるのは良いかもな。世界を知るって事で』

今までのウィルの全ては護り屋とマスターが占めており、ケンも護り屋とウィルが占めていた。

ウィルの言葉にケンはウィルの方に視線を向けた。

ウィルの顔は前を向き細められた右眼は何処までも遠くを見ているように思え

「ウィルは良いのか?それで・・」

過去を知っているからこそケンは不安になった。

実際、ケンが会った時は既にそれを受け入れていたウィルだが、マスターから聞いた過去のウィルはそれに囚われ異質であることに諦めた雰囲気があった事を聞かされた。

『知っている人物が居るか居ないかは大きいんだよ。俺にとっては特に・・な』

「責任重大だな」

これ以上重い雰囲気になる前にケンは肩を竦めながらおチャラけた様に言い

『あぁ。そうだな。責任重大だ』

ウィルもそれに乗る様に口元に笑みを浮かべながら言った。

「なら、ウィルの考えはFBIの勧誘を受けるなんだな?」

『ケンはどうなんだ?』

「俺から語り合おうって誘ったんだぜ?」

『聞くまでもないって事か』

信号で車が止まるとウィルはケンの方を向きケンもウィルの方を向き互いにニッと歯を見せて笑い

『後は報告だな』

「直ぐするなら番号聞いたが?」

そう言って携帯を振って見せるケンに

『なら、アジトが良いか?』

「言えば向こうが指定して来るんじゃないか?」

と、言う事で早速ケンは赤井の携帯に電話を掛けた。

‘プルルルル’

「赤井だが?」

「あ、数日前に会ったケンです」

「あぁ・・話し合いは出来たのか?」

ケンが電話した事=ウィルと話し合ったと思った赤井はそう尋ねケンはそれに肯定の返事をした。
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