3万hit記念リクエスト小説

□ストーカー編第一弾
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そして放課後、4限まででお昼のない今日

「空瑠!アタシたちこれから女子会だけど来るでしょ?」

女子会という名の惚気会だろうことは察しがつき空瑠はそれを断った。

『ごめん、依頼あるから』

そう言って早々に教室を出ていく空瑠に園子と蘭は首を傾げた。

「なんか、最近空瑠変じゃない?」

「うん。何か焦ってるって言うか・・何か変」

「ならさ、空瑠のこと尾行してみようよ。それで訳がわかるんじゃないか?」

世良の言葉に蘭も園子も頷き急遽空瑠の尾行が始まった。

そして尾行してすぐその訳は分かった。

「ちょっと、あの先輩って前に空瑠に告白して盛大に振られた人じゃない!」

電柱の影から覗いていた園子は声を上げて驚いた。

「うん。確か空瑠彼氏いるからって断ってたよね?」

蘭も確認すれば同意を示した。

『ちょっと・・やめてください!』

「くすっ。恥ずかしい?照れてるんだね可愛いよ」

ちょっと目を離せば空瑠は腕を掴まれ壁に押さえつけられていた。

「ちょっと!空瑠ヤバイじゃない!」

「私止めてくる」

蘭が止めに行こうとすれば

「いや、空瑠がそろそろ限界みたいだよ?」

世良は笑いながら空瑠の方を指させば

‘ヒュッ・・ドカッ’

「痛っ!」

見事に空瑠の蹴りが押さえつけていた男の腕にヒットした。

『いい加減にしてください・・もううんざりなんです』

腕を摩る男に軽蔑の眼差しを向ける空瑠はその瞳からは怒りが見え隠れし男は何かを言おうとするが

‘ガシッ’

いきなり後ろから肩を掴まれ

「あ?誰だ・・・ひっ」

「その辺にしてもらおう。空瑠は俺の女だ。好き勝手にされるのは黙っていられんな」

振り返り文句を言おうとした男は自分より長身の男、しかも見下ろす瞳は何処までも冷え切った冷たい眼差しをしており

「消えろ!俺の視界から今すぐ!」

睨むように鋭くなった瞳と惜しげもなく出された殺気に男は顔を青くするとそのまま逃げていった。

「嘘・・あれって」

「うん。空瑠の彼氏さん」

「秀兄来れたんだ」

ホッとした表情をする3人に

「やっぱりストーカーされてたか」

後ろから聞こえた声は

「新一!」

スマホと何かのバックを持った新一だった。

「あれ?そのバック秀兄の?」

見覚えのあるバックに世良が聞けばどうやら新一から空瑠がストーカーされているという話を聞き無理やり休暇をもぎ取りこっちに来たらしい。

「ボウヤすまないな。真純・・それに君たちは空瑠の友人たちか」

気を失ったらしい空瑠を横抱きにしながら平然とした顔をして新一の方に来れば必然的に電柱に隠れていた世良たちは見つかり

「あはは・・じゃぁ、僕たちは行くね!」

笑いながら世良は蘭と園子の背中を押しその場を去った。
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