3万hit記念リクエスト小説

□映画:瞳の中の暗殺者
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空瑠は警視庁のある一室、既に何度も依頼を受けている小田切の元を訪れていた。

「この捜査をして欲しい」

小田切が空瑠の方に向かって差し出した封筒そこには

『再調査・・ですか』

仁野保氏自殺として処理されている調査書が数枚封筒の中に入っていた。

空瑠がそれに目を向けているとき

「既に私の部下が数人その再捜査を行っている」

‘ピクッ’

小田切の言葉に空瑠は反応し調査書から小田切に視線を向けた。

『警察の方で再捜査をするならば私がする必要はないのでは?』

空瑠の言葉は尤もであると小田切は頷くが

「警察の視点で無く、君の・・探偵としての視点で物事を見て欲しい」

どうやらこの事件には裏が隠されていることが空瑠は感じられそして、この捜査のことは目の前の小田切を含め数人しか知らないことが判明した。

『お引き受けします』

この時既に賽は投げられていたのかもしれず・・。









空瑠は自宅である工藤邸に案件を持込、自室のパソコンと睨めっこが常になり調査書をあらゆる視点から考えてみたが

『もし、この事件が自殺でなかったとしたら・・・』

行き着くのはそこであり空瑠は顎に手を当て考える。

‘コンコン’

『!』

この部屋をノックする人物は一人しか居らず空瑠はその気配にも気が付かない程集中していたのか、疲れているのか・・

「空瑠?今大丈夫ですか?」

『うん。平気』

調査書を机にしまい椅子ごと反転すればにこやかな笑みを浮かべて沖矢が入ってきた。

『どうかした?』

空瑠が首を傾げれば

「明日トロピカルランドに行きませんか?」

『・・・は?』

いきなりの沖矢の誘いに空瑠は1拍遅れて反応した。

「ですから、トロピカルランド『2回も言わなくても聞こえてるって!』・・そうでしたか」

沖矢の言葉を遮り空瑠は突っ込んでしまった。

『はぁ・・いきなりなんで?』

溜息を吐きながら聞けば

「空瑠がここ数日事件に掛かりっきりだった事は知っていますが、たまには息抜きにどうですか?」

『息抜き・・』

空瑠はその言葉に自分の思考力が落ちていることも、判断力が鈍っていることも自覚していた。

「実は先日、スーパーで蘭さんと会った時に空瑠のことを話したら勧められたんですよ」

事件に掛かりっきりになると部屋からでない事もある空瑠に替わって沖矢が買い物に行くこともしばしば有りどうやらその時に息抜きするならばと蘭に聞いたときに教えられたらしい。

『蘭・・・』

友人の心遣いに空瑠は苦笑し

『実は、そういったテーマパークって行ったことないんだよね』

ポツリと呟かれた言葉に沖矢は普段閉じている目を開いた。

「そうだったんですか?」

どうやら本気で驚いているらしくその表情に空瑠は笑うと椅子から立ち上がりリビングを指しながら歩き出した。

どうやらリビングで話すらしく空瑠の行動に沖矢も頷き部屋を出た。

「どうぞ」

『ありがとう』

リビングのソファに座らされた空瑠に沖矢は珈琲の入ったマグを手渡し隣に座った。

「空瑠は行ったことがないのか・・」
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