3万hit記念リクエスト小説

□囚われた恋人
2ページ/6ページ

「確か、黒い薔薇が現場に置かれてるんだったか?若しくはそれを象徴とする何か」

『えぇ。それとその現場どう言う風か知ってる?』

「爆薬や銃弾を使った広範囲のテロのようなものとどこから襲われたのかわからないと言うような暗殺の二種類だったか?」

赤井も空瑠が元メンバーだと知ってからBRのことを調べたため知っていた。

『そう。だけど、この写真。確かに薔薇のモチーフは置かれてるけど、殺し方が甘いの。これは暗殺とは言い難いのよね』

肩を竦める空瑠にレイネスと赤井は顔を見合わせ

『あー・・ごめん。元メンバーは多分全員見れば直ぐ分かる事なの。だから私の方にこの情報を流してきたと思うのよ。まぁ、元暗殺者だけどFBI捜査官の言う事じゃないのは分かってるんだけど』

申し訳なさそうな顔をする空瑠に赤井は空瑠を抱きしめた。

「あぁ、わかっている。空瑠だから気がついたことだろう?元メンバーだから。空瑠はその技術や知識をここで活かすんだろう?」

言われた言葉に空瑠はコクンと頷いた。

「おーい。職場でイチャつくな〜」

からかう様に言うレイネスに赤井は腕を解き

『とにかく、当分私はこの事件を追うわ。元メンバーだからこそ、この事件は私の手で片を付けないといけないから』

真剣な表情をする空瑠に

「気をつけろよ?空瑠。何か嫌な予感がするからな」

レイネスの言葉に空瑠はフッと笑った。

『レイネスの勘はよく当たるから頭に入れておくわ』

「俺の方でも手伝えることは手伝おう。だから、一人で溜め込んでくれるなよ?」

空瑠の頭を撫でる赤井に空瑠も頷くと捜査に行くべく背中を向けた。

靡く白銀の髪と凛とした背中を赤井とレイネスは見送ったのだった。

しかしこの2日後、空瑠との連絡が取れなくなり赤井は本部でイラつきながらも連絡を待ちレイネスも宥めるように言葉はかけるが赤井同様イラつきは抑えられずにいた。










空瑠は廃ビルなのか人気のないビルの一室に囚われていた。

『(さて、どうしようかしら。流石に手錠を外すのは難しそうだし彼らの目的を聞くのが先決かしら)』

空瑠は2日捜査に当たりながら元メンバーと連絡を取り合い各方面から情報を得ていたが決定的なものが得られなかった。

それは“何故偽BRを名乗ったのか”と言う事。これだけはどの情報からも分からず一瞬の隙を突かれ空瑠は囚えられてしまった。

「さてBRのクロスローズさんよ。お前さん一人に恨みがあるわけじゃねぇが・・気に食わねぇな。お前ら暗殺者が何故のうのうと生活してやがるんだ?」

どうやら空瑠に話しかけてきた男性はBRに恨みがあるようだ。

『私たちが進んで暗殺者になったとでも?』

空瑠は挑発するように言えば

‘ドガッ’

『っく・・』

腹に一発蹴りを食らった。

「謝るのかと思えばまさかお前らも被害者だなんてほざくんじゃねぇよな?」

「おい。そいつはお前が用があるからと捕えただけだろう。俺たちの野望を忘れるな」

男性の後ろには長身の男。どうやら彼がリーダーらしい。

「忘れちゃいねぇが、俺はBRに用があんだよ。あんたの目的はちゃんと参加するって」

「そうか」

フッと長身の男性は笑みを浮かべると空瑠を蹴った小太りの男性に何かを手渡した。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ