本 棚
□座 薬
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「……」
その場に一人残された自分は考えていた。
「…んー、、ん〜??、」
「…つか、ぅ…?」
伊野尾ちゃんが部屋を出て行ってからしばらくこんな感じだ。
そう、ウザすぎる伊野尾ちゃんが買ってきたこのウザい薬を使うか使わまいか迷っている。とにかくウザすぎるウザい。
「…っぁーー、、」
なんだか頭が痛くなってきた。
伊野尾ちゃんいないし使ってみようかなぁ…。うん、今こそチャンスだよなぁ!誰もいないんだし!
とは言え万が一のため脱衣場に避難した。伊野尾ちゃん帰ってきたら困るし。
脱衣場で座薬を取り出し、下着をずり下ろして、ヤンキー座りの姿勢になる。…まぁ言ったら便所座り?
準備は整った。
「…ふぅーー、」
ついでに呼吸も整えた。
よし、入れよう。俺が手を動かした時、
___ガチャ
………え?
だ、れか来た?
「あれ、ひかるー?」
え??や、ぶ…??、
「いねぇーの?」
薮の足音がどんどんこちらへと近づいてくるのがわかる。
…って、早く下着はかな『___ガラ 』…きゃ、
「………ひ、ひかる?!?」
「……ぅわぁあああ!!!?!あ、ちが、あ、これは!!!」
終わりだ、いろいろ
「ふーんそうだったんだ」
「うん」
その後薮に変な誤解をされないように一生懸命説明した。この場から逃げ出したかったけど、がんばった…
「座薬ねー…」
「そう、なの。伊野尾ちゃん酷いでしょ」
「光さー、それで今体調どう」
「んー、結構熱ありそうだし、ふらふらする…」
とりあえずベッドに行きなよって言われて手を引かれた。
「ゎ、光の手あっつ…」
「んー…」
「そんで、その薬使わないの?」
「え?」
「熱酷いし。明日辛いよ?」
「や、でも、」
それからの薮の動きは一瞬だった。
ギシ__
俺の隣でベッドに腰掛けていた薮が俺の肩を押し、俺は抗う間もなくベッドに押し付けられた。