猫の鳴く声がする

□猫の声
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晴れた空に映る光は、
歩く先を示すように。
辺りを明るく示すように。
そして、壊されていく姿を見るように。
壊している原因は、完璧にやめようとはしない。

「はぁ...。」
今日も、か...。
晴れた空。人ごみを眺めて歩く。理由なく歩く。歩き続ける。
「....?」
疑問に思いつつも、ただ歩き続ける。
そして、次の瞬間に声に出して。といわれたように、
「あれ....、何で来たんだっけ。」
いつもこうしていた、それが理由だと。
昨日は何をしてたんだっけ。
思い出せずとも、途方にくれず。ただ、思うほうへと。
ただ、ただ、その。
目に映り始めた、その駅を見上げる。
「駅.....。」
ただ、ほかに言うことなんてほかには、思いつきやしない。
目の前に人ごみがあふれ、かきわけて入れたものではなかった。
ただ、そこにたったまま。
何も、考えずと。
ただ。
「....?」
何かを感じたように、
何かを感じさせられたように。
「.....?」
遠くで何かが鳴いた様な気がしたんだけど...。
気のせいなのかを考える暇は与えてくれなかった。
「にゃー....。」
「猫.....?」
少し考えて出てくるほど簡単な答えだった。
だが、答えは、一つでは済まされるはずがない。
亀裂が入ったような音がしたような気がした。
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