SRX

□器用?不器用?
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「…よし。出来たぞ。」

琉球LAGで昼食を摂ることになった私とタクト。

「やっぱりすごいね。この野菜とか…」

「食べれば一緒だろう。」

「すぐそうやって夢のない事言うんだから…じゃあ、いただきます!」

湯気を立てているゴーヤチャンプルに箸を伸ばす。

「うん。美味しいよ。」

「…沢山あるからな。」

「ヨウスケ…これは嫌がらせか⁉︎なぜ僕の皿にだけシイタケがある⁉︎」

確かに私のお皿にはない焼きシイタケが。

「お前は好き嫌いをなくすべきだ。」

「だったら少しは食べるように工夫を凝らして貰いたいな!」

「シイタケはビタミンDが豊富なんだ。食べろ。」

二人が言い争いをしている間に、食事を終える私。

「ご馳走様でした。」

「名無しさん、もういいのか?」

「うん。お腹いっぱい。本当に器用だよね。」

ヨウスケが練習として切っていたと思われる人参。
可愛らしい星から、鳥の形まで色々。

「いい匂いだね。」

「アキラか。…食べるか?」

「じゃあ…貰おうかな。」

彼女がそう言うと、嬉しそうに微笑む彼。

気まずくなって、調理室を後にする。



気分を変える為に海に来たものの、釣りをしているユゥジもいない様子。
仕方なく、砂浜に寝そべる。

ヨウスケに私が恋をしていることは自覚している。
けど、ヨウスケがそれに気付く様子もない。
ヨウスケはみんなに優しいけれど、アキラには特に優しい気もする。

「ヨウスケが探してたぞ。」

「…今は会いたくないかも。」

私を覗き込んできたのは、タクトだった。
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