白銀世界

□ヴァリアー入隊!?
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『ここが、ヴァリアー……』



鬱蒼と茂る森のような道を通ってきて、この屋敷の前に来た。
私がいるのはヴァリアーの本部。
ボンゴレ本部の屋敷とは少し違う雰囲気を纏うこの屋敷が、私の新しい職場となる。




勿論、反対はされた。
家光に電話で『ヴァリアーに入隊したい』と告げたら鼓膜が破れるくらいの声で「バカか」と言われた。

それにボンゴレ本部の上層部も。

しかしそんな中、私の背中を推したのは、つい先日 目を覚ました9代目だった。




『えーと、チャイムとかないのか?』



目の前のでっかい門は空いているが、初めて来る場所なのでどう入ろうか迷う。

あー、うー、とか唸っていると後ろから車のエンジン音がした。
振り向くと、黒い…これは、えと…高級な車?



「ししっ、なんで女がこんな所にいるわけ?」


思い出した。リムジンだ。
そのリムジンから顔を覗かす金髪の男の子。
目は髪の毛に覆われていて見えない。
確かこの子見覚えが…



『もしかして、ヴァリアーの人ですか? 私、今日からここに配属された 山本 名無しさんなんですが… 』



「ムム…そんな話、ボスから聞いてないよ 」


次に顔を出したのは、これまた目の見えない赤ん坊。
でも、聞いてないって…


『私、9代目に書類を渡した筈なんですが』


そう、9代目にお願いしたのだ。この書類をお願いしますって。
渡っていないはずはない。



「ししっ、あのじじいに? そりゃ、ボス見ないよね」



男の子は何がおかしいのか、ニヤニヤと私を見ている。いや、目が見えないから多分だけど。


「そうだね、あのボスのことだ。また機嫌でも悪くて燃やしたんだろうね」



赤ん坊も男の子の言葉に賛同している。
見てないって、それじゃぁ勇気を振り絞って来たのに無駄足だということなのか。



「まぁ、ボスに話してみれば?君みたいなのが入隊できるかは知らないけどね」


乗りなよ と赤ん坊が車のドアを開けてくれた。
取り敢えずは、なんとかなるのかな?




……スクアーロさんに会えますように
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