白銀世界
□部屋って大事だよね
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前回までのあらすじ。
スクアーロさんのお部屋に訪問するらしいです。
広間からでて、長い廊下を歩いていくスクアーロさんの後ろをついていく。
廊下には沢山の扉があって、これはしばらく迷子になるな…とか考えていると、スクアーロさんが立ち止まった。
「ここが、俺の部屋だぁ」
そう言って、ドアを開けてくれた。
どうやら先に入れとのことらしい。扉を抑えてくれている。
英国式レディーファーストなのかな?
『おじゃまします…』
部屋に入ると、中はひとり部屋とは思えないような広さ。いや、まぁお屋敷だからそんな感じはしていたが。ボンゴレ本部の私の部屋より広い。
黒と白で統一された部屋はスクアーロさんぽいと思う。
「荷物はそこにでも置いとけぇ」
そういい、部屋の片隅を顎で差される。
まぁ荷物といっても女の子が旅行とかに持っていくコロコロなどと邪魔になるものではなく、大きめのリュックに後は私の愛刀だ。
流石に自分でも、必要最低限のものしか入っていないこの荷物を見て笑ってしまいそうだ。
「お"い 女ぁ…荷物はそれだけかぁ?」
スクアーロさんもそれに気がついたらしく、私が荷物を置いている後ろで驚いている。
『ひ、必要最低限のものしか入れていないので!!邪魔になるといけないと思いまして…』
ああ、なんか恥ずかしい。こんな弁解をするくらいだったらもっと可愛らしい旅行バックでも持ってくるべきだった。
そんな苦悩をよそに、スクアーロさんはくつくつと意地悪な笑いをしている。
『あ……スクアーロさん、あれはお仕事かなんかですか?』
それを言うと、スクアーロさんは少し嫌そうな顔をする。
私が見つけたのは、部屋の真ん中の高脚丸型テーブルに置いてある大量の紙だ。
積み上げすぎて雪崩が発生し、下にも広がっていた。
「ボスに頼まれたデスクワークだ…」
気まづそうな顔をするスクアーロさん。
私はそのスクアーロさんを見てある事を思いつく。
『スクアーロさん!もし良ければ私がお手伝いしましょうか!?』
「……いい。」
私の提案に、また不機嫌そうにそっぽを向かれてしまった。
『いや!やらせてください!!私だって幹部補佐です!幹部の皆さんのお手伝いくらいさせてください!』
ここは流石に私だって引き下がれない。幹部補佐という名ばかりではあるけれど、そんな役職を貰ったからにはなにかしたい。
スクアーロさんは、そんな私を睨みつつ考える人のポーズをとっている。
しばらく、静かな時間が過ぎスクアーロさんが口を開いた。
「書き方を教えてやる。 きちんとやれぇ…」
『はい!!』
彼は折れたようだ。
例のテーブルと釣り合う長い脚の椅子に座り、隣に座るようにいってくる。
うわ、お隣とか恐れ多くて緊張する。
そう思いながら隣の席に座ろうと…あれ?
背丈が少し足りない。
座ろうと思ってもお尻が座る部分に届かないのだ。
「何やってんだぁ」
私が苦戦しているのを見て、またスクアーロさんは喉を鳴らしながら笑う。
『ちょ、この椅子もうちょい低く…』
ひょいっ
『え!?ちょっ!!』
持ち上げられた。脇に手を入れられ、そして椅子の上に座らせられる。
『何するんです!?』
スクアーロさんは何も思ってないらしく、私が怒っても知らんぷり。
多分これがこの人の優しさ何だろうが、その行動からは女の人に慣れてる感が出ている。
悲しさに包まれながら、私はスクアーロさんに資料の書きかたなどを教えてもらった。