賢者の石
□第6章
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次の日レイは、メイニャに頬を小突かれて目を覚ました。
「おはよ、メイニャ」
「メヤー」
「そろそろ起きなきゃね……」
モソモソとベッドから出て、ローブに着替える。
姿見で髪が跳ねていないかチェックし、教科書を持って談話室に向かう。
談話室に行くと、昨日友達になったドラコとパンジーがいた。
と、見知らぬ人も……。
「おはよう、ドラコ」
「おはよう」
「その人は?」
ああこいつか、とドラコは相手を見た。
女の子で髪は黒。そして目が……。
「カオル・ミチコだ。こう見えて、日本とイギリスのハーフだ」
「嘘でしょ!?」
「嘘って失礼ね」
カオルと紹介された女の子は、プクッと頬を膨らませた。
髪は黒でハーフ、というところまではいい。
問題は、目だ。目の色だ。
目が現実ではあり得ない色なのだ。
青と紫の異色の色で、それがオーロラの様に輝いている。
いくらハーフでもこんな色合いは無いだろう。
まだオッドアイなら納得いくが……。
「私のこの目は、神に愛されているからなのよ。
両親共、そう言ってくれているわ。
自分達は普通の目の色なのに、娘がこんな色なのは、神に愛されているからだって」
惚けた様にそんな話をする彼女に、レイはただ一言。