秘密の部屋
□新学期
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「なんだか、凄い混み合ってるわね」
「ああ、あれだよきっと」
レイはカオルと共に、ダイアゴン横丁へと来ていた。
彼女が指差した先には、あのペテン師である、ギルデロイ・ロックハートのサイン会の垂れ幕が。
ギルデロイ単体となると、正直苦手であるが、レイはどうしても俳優と一緒に見てしまう。
夢小説のロックハートの扱いに、憤怒を覚える程だからなぁ私。
よく夢主が、彼に合う前はうざいとか言うのは分かるが、鬱陶しいというのは分からない。
それっていずれ自分がロックハートに目を付けられるって前提で言ってるんだよね……どんだけ自意識過剰なんだよと思う時あるし、正直そんな夢主はロックハートより苦手だ。
ロックハートが近くを通っただけで、夢主はスネイプに助け求めて……。いかん、考えるだけで腹立たしくなって来た。
何はともあれ、レイとカオルは書店に足を踏み入れた。
中を見ると、丁度ハリーがロックハートに肩を抱かれて写真を撮られているところだった。
2、3小言を言われたハリーは、ようやく解放されてこちらに歩いて来る。
「ハリー」
「あれ、レイ? と、君は」
「カオルよ」
「ねぇ、カオル。ロックハートにサイン貰ってきてくれない?」
カオルは嫌な顔をしたが、ハリーとあまりいたくないのか、頷いて列に並んだ。