D. Gray-man ~願いの果てに~
□任務開始、そして謝罪
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ノックをすると返事があり、中に入った。居たのはコムイと、先程アレンと喧嘩していた神田だった。座るように言われると神田の横に座った。まあそこしかないのだけど。
コムイ「君の過去を調べさせてもらったよ」
リオウ「で?」
コムイ「で?ってもうちょっと反応ないの?」
リオウ「調べたからなに?」
コムイ「第零……」
コムイが言いかけたところで、リオウが隠し持っていたナイフをコムイに投げる。もちろん外してあげたけど。
リオウ「それ以上口にすれば、貴方を殺さなきゃいけなくなる」
コムイ「すまなかった」
コムイはリオウに頭を下げる。
リオウ「それは何に対しての謝罪?」
コムイ「僕たちがしてきたことに対してだ」
リオウはため息をつき先程投げたナイフを回収しながら言う。
リオウ「貴方に謝ってもらっても何の意味もない。貴方がやったわけじゃないもの」
コムイ「君のことは、アジア支部のズゥ様から聞いていたんだ。【彼】の事も」
リオウ「あの爺さんまだくたばってなかったのね。そういえばトゥイとエドガーにも良い思い出はないね。」
神田はリオウがトゥイとエドガーを知っていることに驚く。
神田「トゥイとエドガーを知っているのか」
リオウ「知ってる。嫌ってほど知ってる。それが何?」
神田「トゥイとエドガーは死んだ。」
気まずそうに神田が言う。
リオウ「へぇあの人達死んだんだ。悪いけど、『悲しい』って気持ちはないからそんな顔する必要はないわよ。なんで死んだのかは貴方は言いたくないのでしょう。なら良い。誰にも言いたくないことなんてあるし。もちろん私にも」
神田「まあ、そうだな。」
リオウ「ならそれでいいじゃない。それにしても、教団は変わったわ。室長が変わったからかしら?前はロクでもない室長で、教団内は殺伐としていたから」
その言葉に、コムイはさっきの真剣な顔は嘘のように目をウルウルさせてリオウを見る。
コムイ「リ、リ、リ、リオウちゃぁ〜ん」
と鼻水を垂らし泣きながらリオウに抱きつく。
コムイ「なんていい子なんだぁ〜すごく辛かっただろうに。今日から君はボクの義妹だよ〜」
リオウ「わ、分かったから離して、は、鼻水が…か、神田!笑ってないでコムイを私から離して!本当に鼻水が服につく」
神田「っく。コムイ、こいつを離せ」
バリっとコムイをリオウから引き剥がす神田。だがその顔は笑っている。引き剥がした後、ノックの音が部屋に響く。慌ててコムイは鼻水と涙を拭いた。