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□お肌占い
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今日のあなたのお肌はどんな調子?
誰とどんな1日になるでしょう。


*つやつや×太宰治*


「おや、何しているのかな?」

暖色のライトが照らす寝室の化粧台で、彼女が鏡に向かっている。
習字の筆のような物を手に我に返った顔が、桃色に染まっていた。

「太宰さん。」
「そんなに頬を染めて、どこへ行くんだい?」

そもそもこんな夜中だけれど。
笑いかけてみると、恥ずかしそうに俯いたところをライトがぼんやりと映し出した。

「あのね、来週同窓会があるの。だからお化粧の練習。」

きっと皆綺麗な大人になっているから。
そう言いながら、子供のように少しだけ頬が膨らんでいることを彼女は自覚しているのだろうか。

「なあんだ、そんなこと。」
「そんなことって……。」

より膨らんだ様子にゆっくりと近づくと、彼女は警戒するように身を引いた。
柔らかい丸椅子に座っている目線に合わせてしゃがむと、高低差が逆になる。

「確かに彩りをつけることは綺麗だけれどね。」

君が作る料理のように。
親指で頬をなぞると、指紋が桃色に染まった。
素に近づいた肌が、ライトの光を跳ね返す。

「鏡を見てごらん。君の素肌を。」

こんなにつやつやだ。
君は何も無くても綺麗だから。
そんな風に怖い顔をして色を足す必要なんて、無いのだよ。

鏡越しに、目が合った。

「怖い顔、してた?」
「少しね。」

微笑みの花こそ君を彩る。
それを忘れないで。

*
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