忍びとの恋

□痛み
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「・・・つ!!」

俺は走っていた

手には「さよなら」と書かれた紙

嫌な予感がした俺はただ走り続けた

「凛っ」



1ヶ月前
いつも通りに縁側で彼女の作った団子を食べていた
しかし、後に俺にとっては死よりもおぞましい体験をすることになるとは思いもよらなかった

「才蔵さん」
「き、清広さんっ」
「・・・」

突然現れた清広に彼女は驚いたがすぐに任務と察しその場から離れた

「なに」
「これを」

「断るっていったでしょ」

清広が書状を出す前に俺はきっぱりと言った

その内容は
俺が子を作らないため里が任務で女を身籠らせろということだ

だが、その手の任務はやらないし、なにより彼女が悲しむ

「ですが、このままでは」
「そうよ、才蔵」
「・・・」

ふわりと風と共に雪が現れた
俺は苛立ちを隠さずに雪を睨みつける

「何しに来た」
「やあね、そんなに睨んでも
 お前だって分かってるでしょ」
「・・・」
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