忍びとの恋
□痛み2
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凛が毒を盛られてから2日後―
まだ痺れが抜けていないのか、褥から動けずにいた
「才蔵さん・・・すみません」
「別に」
俺はというと、凛が動けずにいる2日片時も離れずに介抱していた
もちろん、幸村や女中には体調が悪いということで誤魔化しているが―――
「暇ですね」
「そうだね」
2日も動けずにいると、常に動いていた凛にとっては、退屈以外ないだろう
だが、普通に話せるところを見ると2日前のあの状態に比べると回復はしている
「とりあえず食べな」
俺は動けない凛のために朝餉を持ってきた
「ありがとうございます」
「はい、あーん」
「え・・・」
「あーん」
「・・・っ」
ある程度回復したとはいえまだ、全快ではないため俺は凛に口を開けるように促した
引かないことを悟った凛は、素直に口を開けた
「ん・・・」
「どう?」
「美味しいです」
そう一言だけ言うと彼女は朝餉を平らげた
「ふうごちそうさまでした」
「どーも。それじゃ」
朝餉を片付けようと俺が立ち上がろうとした時凛が俺の袖をきゅっと掴んだ