忍びとの恋
□痛み
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雪が現れたということは、向こうも痺れを切らしてるのだろう
このまま俺が断り続ければ凛の身が危なくなることは間違いないだろう
でも
「俺はこの任務は受けない」
「・・・そう、分かったわ」
「それじゃあ、お前と会うのもこれで最後になるかもしれないわね」
フッと雪が微笑みその場から消えた
「才蔵さん・・・」
清広の言いたいことは分かっている
里の命に背くものは裏切り者として扱われる
そして、裏切り者の末路は---
(あいつと同じだね)
親友のあいつが自分の女を人質に取られて里を裏切り、俺が殺した
今俺と凛が置かれている状況がまさにあの時と同じだ
俺が任務を断り続ければ、裏切り者として始末され、彼女は------
「才蔵さん?」
「っ・・・」
お茶を持ってきた彼女が俺の顔を覗いてきた
「では、私はこれで」
「え?もうですか」
「はい」
そう言い、清広もその場から消えた
今縁側に立っているのは俺と凛だけ