Guardian of the First
□planet.1
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「お前つえーな!私じゃムリだ。」
「ねぇ、またこよーよ!スゴく楽しかったし!」
「次はコテンパンにしてやるから、覚悟しておけよ。」
ゲーセンを出ると、頭に三日月の模様がある黒猫が通りかかった。
「あ、ルナ!」
「ミャーオ♪」
ルナと呼ばれるネコは、月野の肩に乗った。
「お前のネコか?」
「そ!ルナって言うの。」
「へぇ〜。可愛いじゃねーか。」
頭を撫でてあげると、スゴい喜んでいた。
けど、私が撫でるのをやめて月野と話している間は、ずっとルナに睨まれていた。
一体なんなんだ、このネコ…
「じゃあ、また明日!学校でね〜」
「あぁ。」
私は軽く手を振って月野とは逆方面を歩いていた。
足元に黒い影が見えて見てみると、月野の飼い猫がついてきていた。
「あっ!オメェ付いてきたのかよ!!早く月野のとこ行けよ。」
「ミャーオ♪」
「ったく、今日はやけに寄りつかれるな…」
私は家にそのまま戻った。
もちろん、ルナは入れていない。
「あれは敵じゃない。なにか強いエネルギーを感じるわ。そう、まるで…」
「誰だ、お前は!!」
私は家の廊下に突っ立って叫ぶと、妙な格好をした怪物が家の中で立っていた。
ルナは玄関の扉の隙間からそれを見て月野たちを呼びにみんなのいる火川神社に行った。
「みんな!大変よ!山田花子の家に妖魔が現れたの!久しぶりに出動よ!」
「なんだかよくわからないけど、行くわよ!」
火野がそう言うと、みんな片手を空の方に伸ばして変身した。
それはまるで、1年前に姿を消した…
その頃、私は家を出て妖魔に追いかけられていた。
どうすることもできない私はひたすら走っていくだけ。
しかし、とうとう追い詰められた私は行き止まりに来てしまった。
「くそ!」
「もはやここまで!我に力を授けよ!!」
妖魔はそう言うと、追い詰められた私に向かって勢いよく手を伸ばし、私の胸に突っ込んだ。
何かが抜き取られるような感覚はあったが、意識がもうろうとしてやがて倒れた。
その瞬間にセーラーチームが到着して、一足遅かった。
「あのエネルギーは…!」
マーキュリーがそう言うと、ルナが確信しきったかのような顔で言った。
「最初で最後の戦士…。彼女も、セーラー戦士だったのよ!!」
ルナの言葉にみんな驚く。
「じゃあ、花子ちゃんは…」
セーラームーンがそう言うと、妖魔はセーラーチームの方に振り向く。
その時、手につかんでいた光る丸い物体を飲み込んだ。
それと同時に妖魔は急成長して、全長5Mほどにまで膨れ上がった。
「なんなのよ、これ…」
セーラームーンが不気味がっている間に、マーキュリーが解析していた。
「山田さんのエネルギーは今妖魔の胸の辺りにあるわ。早くしないと、取り戻せなくなるわ!」
「そんなのダメだ!」
ジュピターはそういって右手を広げる。
「ジュピター!オーク・エボリューション!!」
ダメージは効いているようだが、ほんの少しだった。
それどころか怒ってセーラーチームを追いかけ回す。
「マーキュリー!アクア・ラプソディー!!」
マーキュリーが手を出すが、やっぱり全然効かなかった。
すると、いきなり妖魔が一人で暴れだした。
口を両手で押さえるが、体が膨張してやがて破裂した。
妖魔は自滅したが、その理由は…
「そう言えばあの子、火川神社によく来ていたわ。」
マーズがそう言うと、みんなそっちに目が行く。
その間にエネルギーたるものから、なにかペンダントのようなものが出てきて、エネルギーそのものは私の体の中へ戻っていった。
私の額には微かに惑星記号が出ていたが、見るのが遅くどこの星の戦士か分からなかった。
「…?うわっ!!お前ら、セーラー戦士か…!」
目を覚ますといきなり目の前に現れたから腰が抜けてしまった。
すると、セーラームーンがこっちに近寄ってきた。
「あなたはセーラー戦士よ。そのペンダントは変身するときに必要だわ。」
「は…はは。私がセーラー戦士…?冗談じゃねぇ!そんなヒラヒラのスカート誰がはけるかよ!」
すると、足元にいたルナがこっちを見上げてきた。
「あなたは恐らく、太陽を守護にもつセーラー戦士…。」
(ネコがしゃべった…!!)
私の顔がドンドンひきつる。
なんだよ、太陽の戦士って。
知らねーよ。
「あなたのその手は、戦士である証よ。」
私はマーズの顔を見ると、思い出した。
「あーっ!お前もしかして火川神社の…!」
「巫女の、レイちゃんです♪」