Guardian of the First
□planet.1
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「ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ!!遅刻じゃんか!」
私の名前は山田花子。
現在十番高校に通う2年生。
実は私、生まれつきで人の域を越えた変な能力があった。
それは、触ったものには全て火がついてしまうという、やっかいで要らない能力。
それじゃあ何も触れないじゃないか。
そう思うだろう。
私は近所でも割りと有名な“火川神社”というところで、巫女さんにその事を相談した。
『じゃあ、これをつけておいてください。』
『なんだ、これ?』
『封印のブレスレット。それを付けていれば触っても大丈夫ですよ。試しに床を触ってみてください。』
可愛い巫女さんにそう言われると、私はペタッと床に触ったら燃えなかった。
燃えなかったんだよ!!
あのときの感動は忘れられない。
それから私は火川神社をヒイキするようになった。
そんな私だが、能力以上にひどいのが、自分の人格である。
例えて言うなら、男勝りで、オレ様主義のツンツン女って感じ。
だから、女子とからむことはほとんどなく、どちらかというと男子と一緒にいることが多かった。
それが小さい頃からずっとだから、親はスゴく心配するし。
女子からはイヤーな目で見られるし。
でも気にしない☆
「おはよ〜」
「おせーじゃねーかよ!また寝坊か?」
「うっせぇな。支度に手間取ってたんだよ。」
私は自分の机の上にバッグを置く。
相変わらず女子からの視線がキツい。
体育の授業で女子更衣室でみんなで着替えているときなんかもっと恐ろしい。
「そういやお前、いつもそのブレスレットつけてっけど…。なんなの?」
「彼氏からのプレゼント。」
「ウソだろ?!」
「冗談。」
私が男子と話している一方で、女子は…
「ねぇ、うさぎちゃん。ルナの言ってたことは本当なの?」
学年1の天才、水野亜美が、学年1のムードメーカー月野うさぎに話しかける。
「分かんない…」
「でも、アルテミスも言ってたわよ?怪しいって。」
よく男子に話しかけてくる愛野美奈子がそう言う。
愛野とは、その拍子でたまに話したりするが、ほかはほとんど話したことがない。
「でも、敵かどうかだけでも判断しないと。」
「よーし!じゃあ、今から誘ってくるね♪」
「あぁっ、ちょっとうさぎちゃん!!」
月野は机の影に隠れながらこっちに近づいてくる。
男子の輪の中に私がいて話しかけずらそうにしていたが、立ち上がって私を見た。
「みんなでなんの話してるの?」
「いや、そういえばセーラームーンって最近でないなって…」
一人の男子がそういう。
月野はすぐにその場の空気に馴染んでいた。
でも、私は月野が入ってから口を開けようとしなかった。
「ねぇねぇ!花子ちゃんはゲームとかする?」
「え…?」
いきなり下の名前…だと?!
「あ、ごめん!花子ちゃんって呼んじゃだめ?」
「別に良いけど…」
いやいや、本当はあんまり呼んでほしくないけど…!!
女性には優しく…って、自分も女やんけ…。
「今日さ、暇だったらゲーセン行かない?新しいゲーム出来たんだ〜♡」
どーせ帰っても暇だし、良いかな…
ゲーム嫌いじゃないし。
「…いいよ。暇だし。」
「やった〜!」
そんなやり取りを遠くの方で見ていた水野たち。
「ここはうさぎちゃんに任せるしか無いわね…」
放課後
HRが終わり、バッグに荷物を詰め込んでいると、すでに月野が私のところに来ていた。
「そんなに私と行きたいのか?」
「うん!だって、友達になりたいんだもん!」
友達ねぇ…。
よく言うよ。
自分は手に余るほど友達がいるだろーに。
「じゃあ行こうぜ。」
「うん!あ、美奈子ちゃんたちは先にレイちゃんのとこ行ってて〜!」
「はい、はい。」
私はその言葉が気がかりだった。
「なぁ、アイツらとは良いのかよ?」
「うん!だって、今日は花子ちゃんとの約束が一番だったから。」
くぁ〜!!
今どきこんな可愛い女子がいたのか!
私が男だったら惚れてたかもしれない。
ゲーセンに着くと、うさぎのやりたがっていたゲームが入り口の目の前にあった。
「あ、これセーラーV?」
私が指を指して言うと、月野は激しくうなずいた。
「エヘヘ。勝負してみない?」