▽request

□last call,next step
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−−1月某日、晴天。
予定、「シュウとネズミーランドで遊ぶ!」を敢行するべく私は駅を出てすぐの待ち合わせ場所へ向かっていた。

朝早くから起きて、夜決めておいた洋服を着てみたけど、なんか違う!ってなって違う服を探しているうちにあっという間に出発予定時刻になってしまった。結局服は昨夜決めたものにしてきて、あの時間はなんだったんだと思ってみたけど、この際それは置いておくことにする。
あんまりキャピキャピしたのも好きじゃなかったから青のトータルネックのニットに千鳥格子のハイウエストスカート、靴は黒い、ファーがついたブーツ。コートを羽織っているからそれなりに暖かい。肩掛けの小さめなバッグは今日の日のために選んだ物だったりする。
大人なコーディネートにしてみたけど、変じゃないかなと不安。

そんなこと考えてるうちに降りる駅に着いて。外気が車内に入って少しヒヤッとする。
外に出てキョロキョロ辺りを見回せば…。
彼は背が高くて目立つから遠目でもすぐにわかって少し微笑めばバツが悪そうにフイッと顔を逸らされた。可愛いとこあるんだから。


「待った?」

「待たせ過ぎだ馬鹿女」


小走りして駆け寄り、声を掛けるとお決まりの罵り。

「本当は待ってても、待ってないって言わなきゃモテないぞー!」


「あぁ、はいはい。ほら行くぞ」

「いでっ!?」

余計なお世話だ、と言うように頭にチョップを食らい、腕を引かれる。










−−−−−−−−−−−−−−
半ば引き摺られるようにしてネズミーランドの中に入る。

「あ!ねぇシュウ、カチューシャ買おうよ!サングラスでもいいよ〜、いっぱいあるんだから!」

近くにあった売店を指差してシュウの服を引っ張る。

「なんで俺までカチューシャなんて着けなきゃならないんだ」

「いーじゃんいーじゃん、つべこべ言わない!それが男気ってやつだよ!」

「そんなこと初めて聞いた」とか言いながらも歩いてくれたからまんざらでもないのかな。何だか嬉しい。




結局私は大きいリボンのついたカチューシャで、シュウはネズミの耳がついたカチューシャにした。ていうか私が選んだ。
各々自分で買ったので会計はすぐ終わった。


店を出て、どこに行こうかと唸っていると「時間はあるんだからゆっくり決めればいい」と言ってもらえたのでじっくり考えた。考えた結果が、

「やっぱりビッグファイヤーマウンテンだよね!」

「却下だ」

「ブー!男は文句言わない!!」

「アンタは俺のこと苛めたいのか?とんだ性癖だな」

「乗ると決めたら乗る!!」


私の後ろには壮大なるビッグファイヤーマウンテンがずっしりと構えており、シュウはあからさまに嫌な顔をする。
絶叫系嫌いなのかー、ふむふむ、イイコト知った。

「何その顔、わかった、乗ってやる。」

「そうこなくっちゃ」


私とシュウは偉大なる火山へと一歩踏み出した。
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